F/T Books & Music

フェスティバルに参加するアーティストからの選書・選曲をご紹介する「F/T Books & Music」。本と音楽を通じて、フェスティバルの作品世界や舞台芸術に足を踏み入れることのできる企画です。
今年は「○○な人へ」というテーマに自由に選んでいただきました。

観劇前に、観劇後に、アーティストにとっての表現の燃料や、世界の切り取り方をのぞいてみませんか?きっと、観劇がより楽しいものになるはずです。

展示

日程 ①ジュンク堂書店 池袋本店 
10/9(Tue) - 11/9(Fri)

②F/Tステーション
10/23(Tue)- 11/11(Sun)
会場

①ジュンク堂書店 池袋本店 9F
〒171-0022 東京都豊島区南池袋2-15-5

②F/Tステーション
〒171-0021 東京都豊島区西池袋1-8-1
 東京芸術劇場 アトリエイースト



まちなかパフォーマンスシリーズ『A Poet: We See a Rainbow』
森 栄喜(作・演出・出演)による選書・選曲 「自分を探検したい人へ」

「vanitas」 蘆田 裕史・水野 大二郎 責任編集

環境に対しての服、体型に対しての服、役割や所属、職業、階級に対する服、性別に対する服、年齢に対する服、、、
普段、何気なく選んで着ている服は、裸を隠すための単なる生地じゃない。他者や社会、未来とつなげてくれる装置、進化するために拡張され身体の一部かも。あなたが己のことを知れば知るほど着る服も明確になってくる。逆に着ている服から今まで知らなかったあなた自身のこともわかるかもしれない。

アダチプレス

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「美術手帖 2017年11月号 GENDER IS OVER!? 性をめぐるアートと想像力」

男として、女として、異性を愛する、”生産性のある”家族をつくる、、、
枠組みの中でがんじがらめになると、他者や社会へも同等の”がんじがらめ”であることを求めてしまったりする。がんじがらめの塊は弾力性も吸収性も柔軟性もなくなって、自らの硬さと重みに沈み始めるしかないのでは。
アーティストたちは作品を通して、時に過激に、時にユーモラスに、枠組みを真下や真上から覗いたり、ひっくり返したり、透明にしたりしながら問いかけている。

美術出版社/1,600円

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「おんなのこはもりのなか」 藤田 貴大 著

こんなに内に秘めて思ってることを、なんのフィルターも通さず、包み隠さずそのまま書いて発表していいんだ!と目から鱗だった本。窮屈で監視されているように感じる社会の中で、まわりと同調しておこうかなとか、ちょっと抑えておこうかなとか、ふと頭をよぎった時は、すぐ読んでみてください。そのままでいて!全部見せて!

ISBN:978-4-8387-2835-0/マガジンハウス/1,300円

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「Smalltown Boy」 Bronski Beat

叶わない恋、いじめ、両親の無理解、、、少年はある朝ひとり旅立つ。住み慣れた土地や環境から”旅立つ”ことは、現実的にはなかなか容易ではないけれど、気持ちだけでも”旅立つ”ことはできるはず。「世界は遠慮なく押し寄せてくるけど、君は泣かない、本当の自分を見つけたから」という歌詞にいつも強く力づけられる。友達(実際のバンドメンバー)が、共に旅立ってくれる展開のPVもぜひ見て!

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マレビトの会『福島を上演する』
松田正隆(作・演出)による選書

「三つのエコロジー」 フェリックス・ガタリ 著

演劇は集団創作をおこなう。私たちが直面している自然環境だけではなく、社会、精神に関わる環境問題の渦中に演劇もある。とすれば、その中で、集団を組織するとはどういうことか。当然、その集団に帰属する主体の問題が浮かび上がってくるはずだ。この書物には、いかに言語行為が個人的な主体を分解し、横断的で創造的な結合をもたらしうるかが書かれている。

ISBN:978-4-582-76651-6/平凡社/1,000円

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「ここのなかの何処かへ」 トリン・T・ミンハ 著

ISBN:978-4-582-47233-2/平凡社/3,600円

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「生きられたニュータウン」 篠原 雅武 著

ISBN:978-4-7917-6900-1/青土社/2,400円

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まちなかパフォーマンスシリーズ『ラジオ太平洋』
福田 毅(作・演出・出演)による選書・選曲


歩きスマホをやめたい人へ

「タヌキ学入門」 高槻 成紀 著

「スズメ つかず・はなれず・二千年」 三上 修 著

「スキマの植物図鑑」 塚谷 裕一 著


「まちなかを移動する時間って、そんなに退屈もしくは無駄な時間なのかなあ」って歩きスマホをしている人を見る度に考えてしまいます。自分なりのシェルターで防がなければならない程暴力的に情報が入ってくるけど、だけど歩く時くらいはまちなかに目を向けましょうよ。そんなわけで「知ってると街が楽しくなる、ストリートの生物」の本、3冊です。
タヌキって、実は東京23区内のほぼ全ての場所で目撃情報がある程に実は近くにいる生き物。え、そんなはずはない見たことないって?化かされてるのかもしれませんよ奴らに。スマホから目を離して街にタヌキを探してみましょう。

スズメも、知っているようで知らない生き物です。知ろうとか思わない程に身近にいるし。まさに人間に「つかず・離れず・二千年」。その理由を知ったらもう、スマホよりスズメに夢中です。

そして雑草。歩道の割れ目や線路の隅っこなんかに生えてるのが目に入っても「あ、雑草」で処理しちゃいがちですが、めくるめくド根性植物の数々をこの図鑑で味わってみて下さい。世界に一つだけの花は通勤通学の足下にありますよ。

哺乳類・鳥類・植物についての三冊を選んでみましたが、様々な切り口で街を見渡してみれば、もう歩きスマホしてる場合じゃないでしょ?どうよ。

タヌキ学入門 ISBN:978-4-416-11547-3/誠文堂新光社/2,000円
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スズメ つかず・はなれず・二千年 ISBN:978-4-00-029613-7/岩波書店/1,500円
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スキマの植物図鑑 ISBN:978-4-12-102259-2/中公新書/1,000円
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緊張している人へ

メナヘム・プレスラー「月の光」

老齢のせいか分からないけど、メナヘム・プレスラーの演奏には無駄な気負いや嫌な重さを感じません。なので緊張してる時に聴くとリラックス、というかニュートラルな状態の入り口に運んでくれます。ドビュッシー「月の光」は有名な曲なので、他のピアニストの演奏と聴き比べると、プレスラーの「凄くない凄み」がよく分かると思います。

まちなかパフォーマンスシリーズ L PACK.『定吉と金兵衛』
小田桐奨(作・演出・出演)による選書・選曲

漫画を読みたい人へ

「プラネテス」 幸村 誠 著

自分で持ってはいないけど、ことあるごとに読みたくなってレンタルして読む漫画です。宇宙を舞台に人間の生きることすべてが内容に取り込まれているのに、全く重さを感じずふわふわっと無重力空間を漂うように読み進められます。

ISBN:978-4-06-328735-6/講談社/657円

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アート関係の人へ

「競争優位を実現するファイブ・ウェイ・ポジショニング戦略」 フレッド・クロフォード、 ライアン・マシューズ 著

自分の作品がユーザーに対してどんな価値を与えられるのかを考える時に読みます。特にアート業界では消費体験やサービスがおろそかになりがちなので。

ISBN:978-4-7816-0936-2/イースト・プレス/2,200円

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現代美術の楽しみ方がわからない人へ

「観察の練習」 菅 俊一 著

僕たちLPACK.が横浜でやっている日用品店DAILY SUPPLY SSSで販売している本です。「観察」することを練習するために書かれている本で、普段の生活で現代美術に触れる機会がない人ほどおすすめです。この本を読んだ後に作品を見ると、現代美術の楽しみ方が少しわかるかもしれません。

ISBN:978-4-909242-01-3/978-4-909242-01-3/1,600円

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ペーター・フィッシュリ&ダヴィッド・ヴァイスの「事の次第」好きの人へ

「ことの次第」 環ROY

トラックとリリックで無限の表現ができるHIPHOPというジャンルが僕は好きです。その中でも環ROYはインタビュー記事を読んでみてもいろんなことを考えているので興味があります。いつか一緒に作品つくってみたい人です。

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まちなかパフォーマンスシリーズ L PACK.『定吉と金兵衛』
中嶋哲矢(作・演出・出演)による選書・選曲

中学生の君へ

「relax 116(2016/SP)」

田舎で育った僕が近所(といっても車で行く距離)の本屋で出会った雑誌。当時は何のことが書いてあるのかさっぱりわからにも関わらず「ほほぉ、東京はこうなっているのか。」とカッコつけて読んでしました。十数年たって、本の中に出ていた人達に会えた時はカッコつけててよかったなと思いました。本当は1999年くらいの時の読んでた本がいいんだけどね。

ISBN:978-4-8387-5094-8/マガジンハウス/815円

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田舎者から出てきたあなたへ

「たぬきの東京見物」丸山 太郎 著

毎年通っている松本市でお世話になっている小さな書店から出た本は松本民芸館をつくった丸山太郎が上京体験を元にして子供のために書いた童話。煌びやかと思っていた東京が期待外れで地元に早く帰りたいという少し寂しい文章ですが、七五調でリズミカルに読めて僕の息子は楽しんでいます。ポンポコ。

ISBN:978-4-9212-0607-9/書肆秋櫻舎/800円



一言で伝えられない人へ

「ハーケンと夏みかん」 椎名 誠 著

一つの言葉を補填するように次々言葉を重ねていく文章がとても好きです。僕らの活動にも近いところがあるなあと山道具の店でバイトしていた時に立ち読みしながら思いました。

ISBN:4-08-749688-0/集英社/381円

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ラルク派な人へ

「HOWEVER」 GLAY

グレイかラルクで言ったらグレイ派でした。お兄ちゃんがいる友達の家でよく聞いていたのを久々に思い出した。シングルではなく青いアルバムだったような。あのアルバムは最高ですね。当時友達はグレイに触発されてか音楽にハマっていました。ドラムを買っていたのは未だに謎ですが。

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アジアシリーズvol.5 『30世紀』
ジャヒド・リポン(脚色・演出)による選書・選曲 「『30世紀』を観る人へ」

「ヒロシマ」 ジョン・ハーシー 著

『ヒロシマ』はピューリッツァー賞を受賞作家ジョン・ハーシーの著作である。原爆投下直後から1984年頃までにわたる6人の生存者たちの物語となっている。この本は、ノンフィクションの事実を伝えるために物語を用いる「ニュージャーナリズム」の初期の例として見なされている。『ヒロシマ』は発行以来増刷され続け、今日までに300万部以上を売り上げている。エッセイストロジャー・エンジェルは、その理由は「この物語が、私達が世界大戦や核による代殺戮について絶えず考える時に欠かせないものになっているから」と語っている。

ISBN:978-4-588-31630-2/法政大学出版局/1,500円

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「原爆の子 広島の少年少女のうったえ 」 長田 新 著

広島への原爆投下から5年後、広島大学の教育学者であった長田新は、壊滅的爆発を受けた人々の物語を記録し残すためにあるプロジェクトを立ち上げた。長田は、最も幼い目撃者たちが一番中立的な立場であるということが分かっていたため、広島の中学、高校、大学の生徒たちが書いた作文を2000本以上集めた。1951年に出版されて以来、日本でベストセラーの本作『原爆の子』は、集めた作文の中でとりわけ代表的な105作品によって構成されており、英語に翻訳もされた。「当時わずか四歳だったので、一体何が起きているのか分からなかった。」と話す4年生の子、崩壊し燃え立つ屋根の下から助けを求める声が今でも聞こえるという高校生の男の子、3年を経ても母親の遺体が小さな白い箱に入っているということが理解できなかった子どもなど、原爆投下後6年が経過しても、まだ痛いほどに鮮明な子どもたちの目撃談は世界の人々に辛い記憶をもたらした。これは原爆についての物語のなかでも、最もプロパガンダ的ではないと言える。子どもたちには下心がない。彼らはただ自分たちの物語を語っているだけなのである。

ISBN:上978-4-00-331771-6 下978-4-00-331772-3/岩波書店/上800円、下720円

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「ヒロシマ日記」 蜂谷 道彦 著

世界で初めての原子爆弾が広島市に投下された時、蜂谷道彦は広島逓信病院の医院長だった。被災を受けた街のひどい混乱の中での彼の責任は相当なものであったが、毎日時間を見つけては優しさと慈悲に満ちた日記を記した。人を引きつける彼の日記は、原爆傷害調査委員会(現放射線影響研究所)の外科顧問であり、蜂谷の友人となったノースカロライナ大学のワーナー・ウェルスの助けにより、1955年に出版された。この本の新版の前書きでは、ジョン・ダワーが原爆投下から50年経ってこの日記の変わることのない重要性について再考している。

ISBN:978-4-588-31631-9/法政大学出版局/2,500円

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「 光 を 世 界 へ ~ Yes All Yes ~ 」

We have only one world and we want a war-free peaceful place for the children and the future generation

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アジアシリーズvol.5 『フィールド:プノンペン』
歌川達人(映像制作・リサーチ)による選書 「ドキュメンタリー映画上映に足を運ばない人へ」

「ドキュメンタリー映画の地平 愛蔵版」 佐藤 真 著

「ドキュメンタリーとは、映像表現による現実批判である。それは、世界のあり方を批判的に受け止めるための映像表現である。そのためには、映像作家の主体性が確立されなければならい。」という前書きから始まる本書は8つの章からなり、クリス・マルケル、ワイズマン、フラハティ、クレーマー、小川紳介など16人の映画作家の仕事が紹介されている。故佐藤真監督によって論が展開される本書を読むと、あなたのドキュメンタリーに対する見方が一変するかもしれない。

ISBN:978-4-7736-3313-9/凱風社/5,200円

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「ミニシアター巡礼」 代島 治彦 著

北は北海道、南は沖縄まで、全国12個のミニシアターが紹介されている。学生時代にシネコンでバイトしながら映画漬けの毎日を送り、卒業後に悶々としていた私は、この本と出会い影響を受けた。支配人たちへの取材から伝わってくるそれぞれの個性や経営方法、そして各々の地域にあり続けようとする精神や場の魅力に触れられる貴重な書籍。「人間には“あの暗闇”が必要なんだよ。」という本書の言葉が今でも時折頭の中を反芻する。

ISBN:978-4-272-61226-0/大月書店/2,500円

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「シネマトグラフ覚書」 ロベール・ブレッソン 著

現代フランス映画史に多大な影響を与えた監督ロベール・ブレッソンが綴った言葉たち。作品制作の際、立ち現れる醜いアイデア達に取り憑かれそうになる私を、詩的な言葉で清め導いてくれる聖書。もっと早くこの本と出会っておけば良かったとさえ思わせるほどの魅力が本書には詰まっているので、ぜひ一読していただきたい!

ISBN:4-480-87112-8/筑摩書房/2,800円

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『Changes』
山本卓卓(監督)による選書 「変わり続ける人へ/を」

「ちょっとピンぼけ」 ロバート・キャパ 著

スマホの写真は滅多にピンぼけになることはありません。世界はこんなにもクリアなのかと錯覚してしまいます。
僕はちょっとピンぼけな写真の方が、そうでない写真よりもずっとリアルに思えます。見えないからこそ想像する。

ISBN:4-16-721601-9/文芸春秋/552円

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「植田正治の世界」

技巧的なのに嫌味のない構図。どこか間の抜けたしかしとてつもなくカッコイイモデル。
寂しい砂漠とあたたかい家族。植田正治の写真を見ていると、相反する要素のバランスと引っ張り合いこそがダイナミズムをもたらすのだと思えてきます。

ISBN:978-4-582-63434-1/平凡社/1,600円

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「ダイアン・アーバス作品集」 ダイアン・アーバス 著

実はこの本を持っていません。学生時代、古本屋の立ち読みで衝撃を受けて、でも当時はとても貧しかったので買うことができず今に至ります。
あの時買っておけばよかった、と思い続けた本との再会ほど特別なものはありません。これを機に買いたいと考えています。いまならばきっと買える(はず)。

ISBN:978-4-480-87183-1/筑摩書房/4,660円

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「YO KAI NO SHIMA」 シャルル・フレジェ 著

身近なものほど見落としてしまいがちで、蔑ろにしてしまいがちです。家族やパートナーの優しさ、避難経路の確認、家の鍵、駅前で配られるポケットティッシュ、YOKAI。

ISBN:978-4-86152-529-2/青幻舎インターナショナル/4,000円

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まちなかパフォーマンスシリーズ『テラ』
坂田ゆかり(演出)による選書・選曲

詩をよむ人へ

「日本の七十二候を楽しむ」 白井 明大 著

1年を72の季節に分けると、だいたい5日ごとに新しい季節が巡ってきます。虫が鳴く頃、花が実を結ぶ頃、魚が美味しくなる頃、夕焼けの色が変わる頃など、ともすれば見逃してしまう自然の機微を、昔の日本人の言葉と楽しい挿絵によって探すことができる一冊です。生活習慣も住環境も変化した今日の日付(新暦)と対応しているのがおもしろいです。

ISBN:978-4-8094-1011-6/東邦出版/1,600円

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詩をよむ人へ

「父の終焉日記/おらが春」 小林 一茶 著

この本は、あまり読みやすくはありません。江戸時代に書かれたものなので、脚注の助けを借りながら、あの学校の国語で古典として習ったややこしい文体と単語を読み進めなければなりません。それを乗り越えると中に書かれているのは、200年前の介護、看取り、相続争い、子育て、子どもの死など、家族の歴史の一瞬一瞬を捉えた俳句と日記です。小林一茶のアクチュアルな日々が当たり前のように仏教の世界観に満たされていることに改めて驚きました。

ISBN:4-00-302234-3/岩波書店/900円

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詩をよむ人へ

「戦後詩」 寺山 修司 著

戦後の日本の復興は、私の生まれる前にほとんど完了していました。敗戦から40年ほどで空襲の焼け野原が私の知る町や社会制度に変貌してしまった、それほど凄まじいスピードで物事が更新された時期の詩に興味があります。寺山修司は本書の冒頭で、活字による肉声の喪失と、それをうまい役者が朗読することの不毛を痛快に指摘します。いまや活字によってしか詩を遡る術がない私たちに豊かな背景を与えてくれる詩論・アンソロジーです。

ISBN:978-4-06-290205-2/講談社/1,300円

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戦う人へ

「Do You Remember」 Ane Brun

ドラムの速い一直線のビートに合わせて、澄んだ声が歌っています。歌詞は、親密な男女が最後のときを迎えながら、はじめから終わりが見えていたことを思い出させるものです。実際男女に限らず、平和な休戦に必要なのは、感情から離れた一種の諦めだというところに共感します。解決はそのあと。急いでいる朝に聴くと爽やかに仕事に向かえます。

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まちなかパフォーマンスシリーズ『テラ』
稲継美保(出演)による選書・選曲

エッセイ好きな人へ

「さよなら未来 エディターズ・クロニクル2010ー2017」 若林 恵 著

ISBN:978-4-00-023070-4/岩波書店/2,200円

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エッセイ好きな人へ

「チクタク食卓」 高山 なおみ 著

ISBN:上978-4-87758-683-6 下978-4-87758-691-1/アノニマ・スタジオ/各1,600円

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エッセイ好きな人へ

「もぎりよ今夜も有難う」 片桐 はいり 著

ISBN:978-4-344-42230-8/幻冬舎/460円

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いたずら好きな人へ

「Dance」 角銅真実

まちなかパフォーマンスシリーズ『テラ』
田中教順(音楽)による選書・選曲

他国文化に興味のある人へ

「トルコのもう一つの顔」 小島 剛一 著

ISBN:978-4-12-101009-4/中央公論新社 /740円

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他国文化に興味のある人へ

「ミャンマーの土着ムスリム」 斎藤 紋子 著

ISBN:978-4-89489-748-9/風響社/800円

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脳をひとやすみさせたい人へ

「Sound Gravitation」 Ornette Coleman

『F/Tステーション』
植村 遥(空間デザイン)による選書・選曲「"境界"とは何なのかという問いを持つ人へ」

「さまざまな空間」 ジョルジュ ペレック 著

ISBN:978-4-89176-495-3/水声社/2,500円

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「NPR Music Tiny Desk Concert」 Mashrou’ leila

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ミーツF/T「文字で演じる戯曲あそび」
大原大次郎 による選書

「日本人の身体」 安田 登 著

ISBN:978-4-480-06794-4/筑摩書房/820円

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ミーツF/T「茶室で落語『茶の湯』を楽しもう!」
三遊亭遊子 による選書・選曲「大人の人へ」

「教育詩集 子どもの毎日の笑顔のために」 高木 いさお 著

「偉そうな人が嫌い」
途方も無い本の中からたまたま手の中に広がった衝撃がこの本との出会いです。 詩の一つ一つに想いと願いが込められています。 …当たり前ですね。 こんなにも反省と共感が心の中を駆け巡る本は他にあっただろうか。 素的な大人って何だろう。 この本をR18指定にして、大人だけの、子ども達には内緒にして配ったらどんな世界になるんだろう… この本を眺めながら1人でニヤニヤしております。

ISBN:978-4-9902623-7-2/子ども出版/1,000円

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「にじ」 作詞:新沢としひこ 作曲:中川ひろたか

子ども達の遊んでる姿、一生懸命な姿をみると、こんなにも元気を与えてくれるのはなんでだろう。
この曲を聴く時は深く考えないでください。
そして少し気分が落ち込みそうになった時にそっと歌ってみてください。