開催趣旨

フェスティバル/トーキョー18 
脱ぎすて跨ぎ越せ、新しい人へ

フェスティバル/トーキョー(F/T)は、東京で開催される国際的な舞台芸術フェスティバルとして、舞台芸術の魅力を多角的に提示し、国境、世代、ジャンルを越えて多様な価値が出合い、互いに刺激しあうことで、あらたな可能性を拓くことを目指しています。

今年で10年目、11回目の開催にあたるF/T18は、ディレクターが交代し、「脱ぎすて跨ぎ越せ、新しい人へ」をテーマに掲げます。

舞台芸術の大きな魅力は、集団創作という点にあります。ソロパフォーマンスの場合でも大抵スタッフが付いていますし、なによりも、観客の立ち会いが不可欠です。人と人が出会い、同じ時間と場所を共有することで初めて成立する、このちょっと「面倒な」メディアは、個の表現と、小さな社会とを、つねに内に含んでいます。

いま世界は激しい転換期を迎えています。これまで当たり前だと思ってきたさまざまな価値や仕組みがゆらぎ、物事の考え方や分け方、進め方があちこちで空回りしています。社会をここまで発展させてきたやり方が、もう限界に来ていることに、私たちは気づいています。わかりやすく安心な次の地平はまだ見えていませんが、とはいえなんだかワクワクするような面白い取り組みが、世界中のあちこちで、すでに起こり始めていることも、私たちは知っています。「新しい人」は、たんなる年齢や世代の問題ではなく、きっとどこかその先にいるはずです。

この情報と速度の過剰な巨大都市トーキョーで、ともすると私たちは、幸せとは何かを問うことすら忘れています。いまあらためて、この「面倒な」メディアを通して、どんなフェスティバルが可能でしょう。F/Tはこれから数年かけて、次の形を探っていきます。共同ディレクター体制もそのための試みのひとつです。

「新しい人へ」向かって、都市の日常の中につかのま発生する、さまざまな「小さな社会」にぜひお立ち会い下さい。

ディレクター 長島確
共同ディレクター 河合千佳

開催概要

名称 フェスティバル/トーキョー18
会期 2018(平成30)年 10月13日(土)~11月18日(日)
会場
  • 東京芸術劇場
  • あうるすぽっと(豊島区立舞台芸術交流センター)
  • 南池袋公園 ほか
プログラム数
  • 主催16プログラム
  • 連携16プログラム
主催
  • フェスティバル/トーキョー実行委員会
  • 豊島区/公益財団法人としま未来文化財団/NPO法人アートネットワーク・ジャパン、
  • アーツカウンシル東京・東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)
アジアシリーズ共催 国際交流基金アジアセンター
協賛 アサヒグループホールディングス株式会社、株式会社資生堂
後援 外務省、公益社団法人日本芸能実演家団体協議会、J-WAVE 81.3 FM
特別協力 西武池袋本店、東武百貨店池袋店、東武鉄道株式会社、株式会社サンシャインシティ、東京都交通局、ジュンク堂書店 池袋本店
協力 東京商工会議所豊島支部、豊島区商店街連合会、豊島区町会連合会、一般社団法人豊島区観光協会、一般社団法人豊島産業協会、公益社団法人豊島法人会、池袋西口商店街連合会、特定非営利活動法人ゼファー池袋まちづくり、池袋西口公園活用協議会、南池袋公園をよくする会、ホテルメトロポリタン、ホテルグランドシティ、池袋ホテル会、サンシャインシティプリンスホテル
宣伝協力 株式会社ポスターハリス・カンパニー、早稲田大学坪内博士記念演劇博物館、有限会社アップリンク



文化庁
平成30年度 文化庁 国際文化芸術発信拠点形成事業
(豊島区国際アート・カルチャー都市推進事業)
フェスティバル/トーキョーは東アジア文化都市2019豊島を応援しています。

東京芸術祭
フェスティバル/トーキョー18は東京芸術祭 2018の一環として開催されます。

フェスティバル/トーキョー実行委員会

顧問 野村 萬公益社団法人日本芸能実演家団体協議会 会長
能楽師
福原義春株式会社資生堂 名誉会長
名誉実行委員長 高野之夫豊島区長
実行委員長 福地茂雄公益財団法人新国立劇場運営財団 顧問
アサヒビール株式会社 社友
副実行委員長 市村作知雄NPO 法人アートネットワーク・ジャパン 顧問
フェスティバル/トーキョー エグゼクティブ・ディレクター
齋藤 明豊島区文化商工部長
東澤 昭公益財団法人としま未来文化財団 常務理事/事務局長
委員 尾﨑元規公益社団法人企業メセナ協議会 理事長
花王株式会社 顧問
熊倉純子東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科 教授
田中俊宏株式会社資生堂企業文化部長
鈴木敦子アサヒグループホールディングス株式会社CSR部門ゼネラルマネジャー
鈴木正美東京商工会議所豊島支部 会長
永井多恵子公益財団法人せたがや文化財団 理事長
渡邉圭介豊島区文化商工部文化デザイン課長
岸 正人公益財団法人としま未来文化財団 劇場開設準備担当課長
蓮池奈緒子公益財団法人としま未来文化財団 あうるすぽっと(豊島区立舞台芸術交流センター) 支配人
米原晶子NPO法人アートネットワーク・ジャパン 理事長
長島 確フェスティバル/トーキョー ディレクター
河合千佳フェスティバル/トーキョー 共同ディレクター
葦原円花フェスティバル/トーキョー 事務局長
監事 田中真理子豊島区総務部総務課長
法務アドバイザー 福井健策、北澤尚登(骨董通り法律事務所)

フェスティバル/トーキョー実行委員会事務局

エグゼクティブ・ディレクター 市村作知雄
ディレクター 長島 確
共同ディレクター 河合千佳
事務局長 葦原円花
制作 荒川真由子、松宮俊文、岡崎由実子、武田侑子、新井稚菜、藤井友理、長田崇史、四宮章吾、山縣昌雄
広報チーフ 小倉明紀子
広報 神永真美、細川浩伸、植田あす美、吉田幸恵
経理 堤 久美子
総務 米原晶子、平田幸来、藤島麻希
票券 武井和美
技術監督 寅川英司
照明コーディネイト 木下尚己(株式会社ファクター)
音響コーディネイト 相川 晶(有限会社サウンドウィーズ)
アートディレクション 氏家啓雄(有限会社氏家プランニングオフィス)
イラスト Naomi Katsu
ウェブサイト 竹下雅哉(有限会社氏家プランニングオフィス)、株式会社Mtame
海外広報・翻訳 ウィリアム・アンドリューズ
執筆 鈴木理映子

主催者挨拶

今年もフェスティバル/トーキョー(F/T)の季節がやってまいりました。
11回目の開催となったF/Tは、すっかり池袋の秋の風物詩となりました。このような日本最大級の国際的舞台芸術の祭典を豊島区で開催できることに大きな喜びを感じております。
    豊島区は「マンガ・アニメ」、「祭事・芸能」、そしてF/Tに代表される「舞台芸術」を三本の柱に2019年「東アジア文化都市」に立候補し、昨年8月、文化庁より国内都市に選定されました。2019年東アジア文化都市、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて、これらの文化芸術が持つ力を結集して、豊島区は「国際アート・カルチャー都市」の実現に邁進してまいります。
最後に、開催にあたり、ご尽力、ご協力いただいた、関係者の皆様、地元の商店街、企業、団体の皆様に衷心より御礼申し上げ、あいさつといたします。

フェスティバル/トーキョー名誉実行委員長
豊島区長 高野之夫

F/Tは2009年のスタートから、過去10回において270作品を上演し、併せて61万人を超える観客、参加者の皆さまにお集まりいただきました。
 第11回目となるF/T18では、アジアの舞台芸術シーンを牽引するアーティストの国際共同制作に加え、劇場を飛び出して行うプロジェクトを中心に、国内・海外の様々なアーティストの作品を紹介いたします。
 このフェスティバルの開催を通じて、東京から新しい価値を世界に向けて創造・発信するとともに、国内外各地のフェスティバルや劇場、文化機関とのネットワークをさらに強め、地域や国境を超えた国際的な文化交流に貢献することを目指して精進してまいります。
 開催にあたり、文化庁、国際交流基金アジアセンター、ご協賛企業ならびに地域の各団体をはじめ、多大なご支援・ご協力をお寄せくださっている皆様にこの場をお借りしてあらためてお礼申し上げます。

フェスティバル/トーキョー実行委員長
公益財団法人新国立劇場運営財団 顧問、アサヒビール株式会社 社友 福地茂雄

フェスティバル/トーキョーは、世界的な文化創造都市を実現するために、東京芸術文化評議会の提案により、東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団、豊島区及び芸術団体が協力して、2009年2月に誕生しました。
 国内外から時代を切り取る先鋭的なプログラムが集まる国際舞台芸術祭として関心を集め、芸術文化を創造できる環境が備わった東京の姿を示してきました。
 2016年からは、東京都が目指す都市型総合芸術祭である「東京芸術祭」に合流し、新たな価値観をはぐくむ交流と参加の場の拡充を段階的に展開しているところです。
 舞台芸術の奥深さを体感し、人が生きていくために芸術が不可欠であることを再認識する契機となるフェスティバル/トーキョーに、今年もご期待ください。

アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)
機構長   三好勝則

F/Tは、大きな転換期に入る。ディレクターの交代も含めて、フェスティバルのあり方を問い直す時期に来ていて、その転換は2021年に向けてのものである。2年から3年をかけて根底的な転位が成し遂げられれば、2021年以降の姿が見えてくるだろう。そのグランドビジョンは新しいディレクターが中心になって作り上げてくれることになっていて、F/T18の使命は、そのための本当の準備に入ったと宣言することにある。今年のテーマは「脱ぎ捨て、跨ぎ越せ、新しい人へ」、「新しい人」をテーマに据えて3回目で、最終回となる。今回は、バングラデェッシュからの演劇や都電を使った作品などいくつかの新しい試みをしている。また、転換に向けてのシンポジウム等も計画している。
    ぜひ会場でお会いしましょう。

フェスティバル/トーキョー18 エグゼクティブ・ディレクター
市村作知雄