恒例のF/T Books。今年もジュンク堂書店 池袋本店にて参加アーティストによる選書が並びます。
今回は共通のテーマをひとつ設けるのではなく、ジャンルの枠を越え様々な形で表現を提示するアーティストたちそれぞれに、今まさに聞いてみたいことを問いかけるという方法で選書を依頼しました。観劇の前後に、ぜひF/T Booksに足を運んでみてください。作品の背景やクリエイションの核となる部分により迫った選書は、知的好奇心を大いに刺激してくれるのではないかと思います。
アーティストの選書からは芸術についてだけでなく、社会、歴史、哲学など実にいろいろなものが見えてきます。過去と対峙し未来を切り拓くようなアーティストの想像力の源を、F/T booksからぜひ感じ取ってみてください。
10月31日(土)~12月6日(日)
シアターアートショップ
11月17日(火)~11月30日(日)
※東京芸術劇場のF/T期間中に関連書籍などを展開します。
フェスティバルFUKUSHIMA!@池袋西口公園
山岸清之進(プロジェク卜FUKUSHIMA! 代表/ディレクター)による選書
Q. 福島で生まれ育った山岸さんが選ぶ、福島の魅力が伝わる本を教えてください。
プロジェクトFUKUSHIMA! 2011/3.11-8.15 いま文化に何ができるか (DOMMUNE BOOKS 5) 磯部 涼 |
振り返ってみれば、僕たち自身もある種のパニック状態にあったと言えるかもしれない、そんな混乱した状況の中で、半減期30年と言われるセシウム137に覆われてしまった福島の魅力を、どのように書き換え、新たに作り出していくのか。それぞれがそんな決意を持って関わって始まったプロジェクトFUKUSHIMA!の初動が記録された本です。表面的には今の盆踊りの祭りとはかなり様相が異なるかもしれません。でも、ここから始まったことが常に僕たちの活動の芯にあり続けています。 978-4902800326 / K&Bパブリッシャーズ / 1,620円 ご購入はこちらから→ |
知ろうとすること。 |
震災後、それぞれがそれぞれの立場から一歩はみ出して活動を始めた、という部分はあるのでは。誤解を恐れずに言えば、原子核物理学を専門とする東京大学の早野先生が、震災直後から専門外の原発事故についてツイッターで発信を始めたことと、ノイズとパンクの音楽家がプロジェクトFUKUSHIMA!を始めたということは、どこか通じるものがあるのかもしれない。科学者・早野先生の福島での活動を、やわらかく平易な表現でさらに伝わりやすくする糸井さんの対話を通じて、3年が経ち、ある程度ほっとすることができるようになった福島を知ることができる本。 978-4101183183 / 新潮文庫 / 464円 ご購入はこちらから→ |
福島に農林漁業をとり戻す |
福島の魅力の大きな部分を占める一次産業。原発事故以降の農水産物、とりわけ魚が大丈夫なのか、ということは多くの方の心配事項なのでは。原発事故後、大きく損なわれてしまった福島の魅力を再び取り戻すために、私たちはどこに立脚し、何を考えればいいのか。現時点での最も誠実な回答がここにあると思います。専門書のように見えて努めて平易な文体かつ極めて誠実な書きぶりは感動すら覚えます。 978-4622078883 / みすず書房 / 3,780円 ご購入はこちらから→ |
開沼 博 |
平易そうなタイトルとは裏腹に、ページをめくると「福島へのありがた迷惑12箇条」など刺激的な言葉が並んでいて、ちょっとドキッとしてしまいますが、原発事故関連ニュースをSNSでシェアしたり、そういう友達がいる、など、むしろ普段福島を意識してくれている人にこそ手にとってもらいたい本。福島出身の気鋭の社会学者が、誰でもが手にできるデータを元に、今の福島を読み解くための道筋を示してくれています。 978-4781613116 / イースト・プレス / 1,620円 ご購入はこちらから→ |
まよいながら、ゆれながら |
「福島の魅力が伝わる本」という、福島が嫌いで飛び出てきた身としてはかなり烏滸がましいテーマで選書の依頼を受け、はたと考えてみたのですが、僕にとっての福島の一番の魅力は、なんといってもこの本に綴られ/写されているあんざい果樹園のみなさんのように、福島の魅力を自分たちで作りだそうとしている人々のこと。震災があって、今彼らは北海道で生活していますが、両親は今も福島で果樹園を営んでいます。震災後多くの人が経験した迷いの中で、それでも未来を向いて歩く家族の姿を、エッセイと写真で感じさせてくれる本です。 978-4902744668 / ミルブックス / 1,296円 ご購入はこちらから→ |
SPAC – 静岡県舞台芸術センター『真夏の夜の夢』
宮城 聰(演出)による選書
Q. 演劇の創作活動にあたり手がかりになった(影響を受けた)本を教えてください。
詩のこころを読む 茨木のり子 |
「演劇とはこういうもの」を示すことができるのは、ひっきょう、演劇だけです。それを言葉で教えてくれる本はないと思います。で話は変わって、演劇と演劇でないもの(例えばこんにち高度にプロ化してきた「プレゼン」など)との差は何かを考えてみると、つまり、前者には詩があり後者には詩がない、ということに行きつきます。じゃあ、詩とは何か?──言葉における詩を考えることは、舞台における詩を考えるヒントになることは確かです。 978-4005000098 / 岩波書店 / 929円 ご購入はこちらから→ |
ゾンビオペラ『死の舞踏』
安野太郎(コンセプト・作曲)による選書
Q. 今回のクリエーションに影響を与えたゾンビにまつわる本を教えてください。
編: |
“世界音楽”という視点でゾンビ音楽を眺めると一体どのような景色になるのだろうか。 西洋音楽/民族音楽という二項対立に行き詰まりを感じていて、何か他にないのかなーとか思って色々やって拗らせた結果、僕はゾンビ音楽に辿り着いてしまいました。世界音楽という視点は、これからの音楽の希望だと思ってます。音楽に携わっている人にとっては必携の書ではないでしょうか。 978-4000236720 / 岩波書店 / 8,640円 ご購入はこちらから→ |
ロボット!無能的自動人形!ゾンビ!脳死的自動人形!(作品より引用) ゾンビとロボットには何か繋がるところがあるんだろうという最初の動機やひらめきがきっと僕とこの作家は共通している気がする。噂ではこのお話、ハリウッドで映画化の計画もあるとか!?その際にはぜひゾンビ音楽を挿入曲としてよろしくお願いします!1分でも1秒でも良いので! 978-4756243027 / パイインターナショナル / 2,376円 ご購入はこちらから→ |
|
ミヒャエル・エンデの遺作。ハーメルンの笛吹きを掘り下げていたらたどり着きました。今回のオペラ制作にあたって影響を受けました。金で金を生む世界、次の世代に負債を残す世界。機械を動かす為の機械を動かすための機械を動かす人間を動かす人間を動かす人間・・・・・・・・。 この世の無限ループの螺旋階段を貫く術はないのかな? 978-4022566249 / 朝日新聞出版 / 2,097円 ご購入はこちらから→ |
|
フランケンシュタイン |
自分の作った人造人間が悍ましいって理由で人造人間を捨てたフランケンシュタイン博士。僕も自分で作ったロボットが最初に奏でた音響を聴いたときには「ひっでー音だな」と思いました。でもそこで開発を止めてしまって、万が一フランケンシュタイン博士みたいに洒落にならない人生を歩むことになったら嫌なので、僕は「ゾンビ音楽」を続けることにしたのです。 978-4488532017 / 東京創元社 / 799円 ご購入はこちらから→ |
古泉智浩 |
古泉智浩さんにはいつもお世話になってます!ゾンビ音楽のCDジャケットも書いて頂いたり、もちろんゾンビオペラのチラシのイラストも書いて頂いています。ゾンビ漫画の金字塔!僕は郊外で育っているのですが、「ライフ・イズ・デッド」は郊外の虚無感がその世界観に現れています。そして僕は物語ラストの歌にゾンビ音楽を聴いた! 978-4575940701 / 双葉社 / 1,234円 ご購入はこちらから→ |
ザ・ムーン 1 ジョージ秋山 |
ゾンビ音楽を演奏する楽器に供給する空気を人力にする。というアイデアを考えて、「死の舞踏」制作会議の中から出てきた作品。9人の子供たちが心を合わせたときにだけ動く巨大ロボットの物語。 978-4091921918 / 小学館 / 627円 ご購入はこちらから→ |
ゾンビオペラ『死の舞踏』
渡邊未帆(ドラマトゥルク)による選書
Q. “ゾンビ音楽”を音楽史に位置付けるための参考文献を教えてください。
ロボット チャペック |
「ロボット」という言葉を世界に送り出したカレル・チャペックのSF劇「R.U.R.ロッスムのユニバーサルロボット」。 舞台は、人間が人間よりはるかに効率的な労働を行うことができる人造人間「ロボット」を製造し世界に送り出す孤島からはじまる。人間はロボットの勢力に絶滅させられ、そして歳月がたつとロボットも死滅の危機に追い込まれる。絶滅に瀕したロボットたちが、最後に神と崇拝するのは唯一の人間の生き残りの男だった。その男が最後に讃えるのは男女の愛なのであった!男の最後の独白はこちら。「ただお前、愛よ、お前だけが廃墟で花を咲かせ、生命の小さな種を風に任せるのだ。私の目は見たのです。愛による主の救いを。生命は死に絶えることはありません!不滅です!」 「ゾンビ音楽」は、その創造主安野太郎が死んだあとに、果たして生殖、あるいは自己生成していくのだろうか? 978-4003277423 / 岩波書店 / 648円 ご購入はこちらから→ |
ゾンビ伝説―ハイチのゾンビの謎に挑む |
地上に蘇った死者が、生きる人間に襲いかかって、世界が大パニック!ジョージ・A・ロメロ監督の「ゾンビ」(1979)を筆頭に、「ゾンビ映画」は無数に存在しているが、では「ゾンビ音楽」とは? これは作曲家、安野太郎が創り出した概念で、彼はゾンビを「肉体をかろうじて留めたままその肉体が本来持っていた意思とは別の意思で動いているもの」(CD『Taro Yasuno’s Zombie Music』)と定義して、自作楽器たちが奏でる音楽をこう名付けているのだ。 このように21世紀の今も「ゾンビ」は世界各国で再解釈され、再創造されているが、「そもそもゾンビとはなんぞや?」ということに突き当たったときに参照したいのが本書。人類学者の筆者が自ら、ゾンビの伝承が伝わるハイチの農民社会の日常生活に入り込んで、死者がゾンビ化するに至る謎の「毒」の正体、逃亡奴隷による秘密結社の存在、ヴードゥー教の魔術的行為を明らかにしていく。ヴードゥー教の死生観においては、肉体と精神の境界、あっちの世界とこっちの世界を実にやすやすと頻繁に行ったり来たりが可能なのである! 978-4807498161 / 第三書館 / 3,024円 ご購入はこちらから→ |
人間機械論 【第2版 新装版】 |
人間同士だってコミュニケーションは難しいのだから、ましてや人間と機械においてをや、である。そんな難関にも挑む「ゾンビ音楽」は、コンピュータによって、リコーダーの8つの穴の開閉状態を0/1として、8bit 256通りの穴の塞ぎ方を制御することで演奏される。あらかじめ作曲家の頭にあるメロディを再生するための装置ではなく、作曲家の「作曲」行為というのは0/1の順列組み合わせをデザインすることになる。 機械の不完全さや偶然的要素をも考慮に入れた「通信と制御」を論じた本書は、「サイバネティックス」の父ノーベルト・ウィーナーが1950年代に一般層に向けて書いた著書で、つい最近その新装改訂版が出版された。そのまえがきに「科学者たちがやっていることは、自然を相手にしたアウグスティヌス的ゲームより、科学者たちどうしの間のマニ教的競争に近い」と書かれている。自然、機械、人間を捉え直すのに改めて読みたい本である。 978-4622078838 / みすず書房 / 3,780円 ご購入はこちらから→ |
安野太郎の「ゾンビ音楽」は、西洋音楽史に真っ向から挑んでいる。ところが「現代音楽」の延長として音楽史に位置付けるのではなく、一気にタイムスリップして人間最古の音楽へ想いを馳せたくなるのはなぜだろう。「ゾンビ音楽」は、まるでルネサンスもバロックもロマン主義も、ましてや未来派もダダもロックもジョン・ケージもテクノもヒップホップも通過したことのない、つねに生まれたばかりの姿でいるかのようである。 そして手探りでその音を再発見して、新たな音楽の歴史を初めからやりなおす運命を背負っているかのようだ。そんな「聴こえていたかもしれない音楽」の響きを、テキストや図像によって探求する手引きがこの大著には書かれている。(中世の音楽はその演奏の伝統が途絶えてしまったゆえに、その響きは再発見せねば聴くことができない。)うれしいディスコグラフィーと参考音源つき。 978-4588420122 / 法政大学出版局 / 8,100円 ご購入はこちらから→ |
|
高橋悠治 |
「過去が未来であり、現在が永遠であり、ここと20億光年の彼方が同じような方法を発見しなければならない。私はそのような方法が存在することを疑わない。そこでは死でさえも消滅するだろう。しかし、その方法はどこにあるのか。私はまだ知らない」と語るヤニス・クセナキスは、古代ギリシア哲学や数学に基づいた壮大な作曲システムを作り出した。そのクセナキスにかつて学び、そこから時間と距離を置いた高橋悠治によるこの著書には、作曲家が作り出すシステム=理論と、その内的記憶とのアンビバレンツが書き留められている。「音楽の反方法論序説(抄)」は、テクノロジーと音楽について考えるにあたって何度でも読み返したいテキストであり、そして常に我々は途上にあり、断片にすぎないということを教えてくれる。 978-4582832471 / 平凡社 / 2,592円 ご購入はこちらから→ |
ゾンビオペラ『死の舞踏』
危口統之(美術)による選書
Q. 影響を受けた建築家・美術家の本を教えてください。
S,M,L,XL |
「影響を受けた建築家・美術家の本」を選べという依頼だが、そもそも建築家や美術家からそんなに影響を受けているのかどうか疑わしい。小説家や批評家のほうが明らかに大きい。しかし例外もあり、この男はその一人だ。やることなすことかっこいい。というか「かっこいい」の基準そのものに影響を与えられた。 978-1885254863 / The Monacelli Press / 10,378円 ご購入はこちらから→ |
セヴェラルネス+ 事物連鎖と都市・建築・人間 中谷礼仁 |
「影響を受けた建築家・美術家の本」を選べという依頼だが、 そもそも建築家や美術家から影響を受けているのかどうか疑わしい。 漠然とした憧れはずっとあり、あれこれ試したりしたが、ついに建築家にも美術家にもなれなかった。しかしそんな徒労も蓄積の一種ではあるわけで、となればこれを転用することもできる。そういうふうにこの本を読んでもいいかな(いいとも)。 978-4306045521 / 鹿島出版会 / 2,700円 ご購入はこちらから→ |
ジャコメッティ 矢内原伊作 |
「影響を受けた建築家・美術家の本」を選べという依頼だが、実はジャコメッティからの影響を感じることはあまりない。ただ、この本をもとにした舞台演劇作品を作っていろんな土地で上演したという意味で自分の人生にそれなりに影響があった。だいぶ大きい影響だった。 978-4622044147 / みすず書房 / 5,832円 ご購入はこちらから→ |
ハイデッガーの建築論 |
「影響を受けた建築家・美術家の本」を選べという依頼だが、自分はそれらそのものには耽溺できず、その周辺でああだこうだと語られる言葉に惹きつけられてきただけかもしれない。手仕事と言説の間にある断絶には自覚的でありたいが、上手くいってない。そういうときにこれを読むと妙に元気が出る。ハイデッガーは根っこから考える。あるいは根っこの捏造、その手つきの豪腕ぶり。 978-4805505793 / 中央公論美術出版 / 4,644円 ご購入はこちらから→ |
絵画の準備を! |
「影響を受けた建築家・美術家の本」を選べという依頼だが、「影響を受けた」のが「建築家・美術家」なのか、それとも「の本」なのか、この文字列だけでは判別できない。どっちなんだろうか。とりあえず「の本」の方でいえば、この本には影響を受けた。自分の仕事に反映できてる気がしないけど。 978-4255003535 / 朝日出版社 / 3,024円 ご購入はこちらから→ |
地点×空間現代 『ミステリヤ・ブッフ』
三浦 基(演出)による選書
Q. マヤコフスキーについて彼の作家活動の背景を教えてください。
小笠原豊樹 |
夢中で読むとは、こういうことだ。ロシア・アヴァンギャルド、未来派、そして革命。当時の空気が手に取るようにわかる。でもそれよりも重要でそれよりも真剣なことがあった。恋愛。詩人マヤコフスキーの恋人たちに感情移入する。それはあの時代のすごさ、奇妙さ、そして生へのあこがれを痛切に感じることである。ここまで切なく、ここまで残酷で、ここまではしゃいだ人生があったということに、僕は涙する。まるで失恋したように。 978-4309022352 / 河出書房新社 / 3,024円 ご購入はこちらから→ |
革命を論じるときに注意しなければならないのは、昨日と明日が急に変わるわけではないということ。今日の不安、不満、不信が、気がつけば成るべくして成るのが革命である。ただし、そこにはヒーロー、生け贄、先導者が必ず存在する。その重要人物がマヤコフスキーだった。ここで注目すべきは彼が詩人だということ。言葉の力が革命の寵児を生んだ。この戯曲の題名が、作者の実名であること自体が危険である。新しい悲劇のお手本だ。 978-4907511029 / 土曜社 / 1,028円 ご購入はこちらから→ |
|
大島幹雄 |
大島氏の「サーカスと革命」という魅力的な本があって、その延長線上にあるのがこの本と言ってよい。ロシア・アヴァンギャルドにとってサーカスがいかに大きな役割を果たしたか。演出家メイエルホリドのエピソードなどを読むにつけ、なぜサーカスが魅力ある行為なのかということがよく分かる。どの時代でもどの国にもサーカスはあった。みんな死にたいんだ。死の淵を覗きたいんだ。そんな刹那に迫っていくのが〈サーカス学〉だ。 978-4796703420 / せりか書房 / 2,592円 ご購入はこちらから→ |
十三本のパイプ |
十三の短編小説。それぞれにパイプが登場する。煙草の本かというとそうでもない。人から人に渡り歩くパイプを軸に、社会と人生を描く離れ業。ソビエトの混沌、ヨーロッパの混沌、いや、全世界の混沌を見事に描ききっているのだから、ちょっとすごい小説なのだ。だまされたと思って読んでみたらいいと思う。気づけばあなたもパイプスモーカーになるだろう。そうしたら、私と一緒にパイプをくゆらせながらこの本の感想を語り合おう。 978-4896424607 / 未知谷 / 2,592円 ご購入はこちらから→ |
亡命ロシア料理 新装版 |
ロシア文学を知る上で、気になるのが料理である。チェーホフは、牡蠣を題材に短編を書くし、ドストエフスキーは、「ジャガイモはもうたくさんだ」とあちこちで嘆くし、ニシンの酢漬けを知らなければマヤコフスキーもびっくりである。さぁ、ロシア料理を勉強しよう。そう思ってこの本を開いたら最後。「これなくしてはいい食事などはありえないというもの―——そう、それは食欲だ。」こんなレシピ本がかつてあっただろうか。必読。 978-4896424584 / 未知谷 / 2,160円 ご購入はこちらから→ |
God Bless Baseball
岡田利規(作・演出)による選書
Q. 「God Bless Baseball」を創作するにあたって、影響を受けた本教えてください。
数年前に買ってたものの、読まずに放置してたのだが、“God Bless Baseball”がきっかけで手に取った。今年一月、文化庁の文化交流使という肩書きで初めて中国に数日間赴いたのち、ソウルへ移動しそこで“GBB”のリハーサルを開始した。今が読みどきと思ったのだったが果たしてその通りだった。アメリカの存在を勘定に入れて東アジアの問題を考えてみたくてつくった“GBB”の基本姿勢はこの本に負うところ結構大。 978-4753102945 / 以文社 / 3,456円 ご購入はこちらから→ |
富士見市民文化会館 キラリふじみ『颱風(たいふう)奇譚 태풍기담』
多田淳之介(演出)による選書
Q. 今回の作品、自身のクリエイションに影響を与えているもの。また、韓国との共同制作をするにあたり参考になった本を教えてください。
|
韓国側から見た歴史を知るということは、それが正しいかどうかということではなく、とても大切なことだと思っています。 彼らはこういう教育を受けた、自分たちはこういう教育を受けた、という前提を共有することも大切です。マンガなのですぐ読めます。 978-4336043337 / 国書刊行会 / 1,620円 ご購入はこちらから→ |
山川 剛 |
長崎の原爆資料館で購入しました。 長崎にやってきた韓国人の少年との出会いから始まる日韓交流。 韓国の歴史の教科書の日本語訳があるのも貴重。 978-4874156520 / 海鳥社 / 1,028円 ご購入はこちらから→ |
―笑って 高信太郎 |
この本で韓国語を覚えたわけではありませんが、入門編としてはかなりおすすめ。 978-4334785321 / 光文社 / 700円 ご購入はこちらから→ |
インプロヴィゼーション ―即興演奏の彼方へ |
アンイディオマティックということは、上演芸術のアーティストにとっては永遠のテーマじゃないかなと思ってます。 イディオムと向き合うことも、アンイディオマティックを求めることも、自分にの作品作りにとっては非常に大事なことです。 978-4875022220 / 工作舎 / 2,484円 ご購入はこちらから→ |
ギンタースドルファー/クラーセン 『LOGOBI 06』
横堀応彦(F/T15ディレクターズコミッティ)による選書
20世紀ダンス史 (監訳: |
ギンタースドルファー/クラーセンの『LOGOBI*』はコートジボワール出身のダンサーと日本人ダンサーの2人が語り合い、踊り合いながら展開している作品です。そんな本作はダンス?それとも演劇?800ページを越える浩瀚な本書を通して20世紀ダンスの歴史を紐解けば、そんな問いへの答えが見つかるかもしれません。 (*)LOGOBI(ロゴビ)とは1980年代にコートジボワールの街角で生まれたダンススタイルのこと 978-4766420920 / 慶應義塾大学出版会 / 12,960円 ご購入はこちらから→ |