God Bless Baseball
会場 | あうるすぽっと |
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日程 |
11/19(木) 19:30 11/20(金) 19:30 11/21(土) 17:00★ 11/22(日) 14:00 11/23(月・祝) 19:30 11/24(火) 19:30 11/25(水) 19:30 11/26(木) 15:00★ 11/27(金) 19:30 11/28(土) 14:00 11/29(日) 14:00 ★ポスト・パフォーマンストークあり 11/21(土)17:00の回 岡田利規と会場のお客様とのQ&A 11/26(木)15:00の回 岡田利規×出演者全員 ※受付開始は開演の1時間前、開場は30分前 |
上演時間 | 1時間30分(休憩なし・予定) |
上演言語 | 日本語・韓国語・英語(日本語、韓国語、英語字幕あり) |
チケット | 一般前売 全席指定 4,500円(当日+500円) |
ペア(1枚あたり) | ¥4,050 |
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5演目セット | ¥3,700 |
3演目セット | ¥4,000 |
学生 ※当日券共通。当日受付で要学生証提 | ¥3,000 |
高校生 ※当日券共通。当日受付で要学生証または年齢確認可能な証明書の提示 |
¥1,000 |
【プレイガイド】
東京芸術劇場ボックスオフィス チケットぴあ[Pコード:561-085] カンフェティ あうるすぽっとチケットコール
「野球」から見た、日韓+アメリカの過去・現在・未来
淡々とした筆致で3.11後の人々の心の震えを映しとるSF劇『現在地』、コンビニの従業員や客の語りから日本の労働状況をかいま見せる『スーパープレミアムソフトWバニラリッチ』など、自由かつ鋭敏な言語・身体感覚で、現代社会に生きる人々の心象を切り出す劇作・演出家、岡田利規。日本のみならずヨーロッパでも高い評価を得る彼が、初めての日韓共同製作に挑む。
両国の現在を改めて見つめようと選ばれた題材は「野球」。野球をめぐる男女の個人的な体験からメジャーリーグで活躍する日韓の選手たちのエピソードまで。さまざまな視点を通じて、両国の歴史や文化を描き出す物語は、やがて「アメリカ」という大きな存在に直面することとなる。野球の本場・アメリカが日韓の歴史、人々の生活に及ぼした影響とは――。アジアとアメリカの近現代史を俯瞰し、体感させる本作に、私たちはどんな「未来」を見出すだろう。
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アーティスト・プロフィール
岡田利規 Toshiki Okada
演劇作家、小説家、チェルフィッチュ主宰
1973年横浜生まれ。1997年チェルフィッチュを結成。2005年『三月の5日間』で第49回岸田國士戯曲賞を受賞。同年7月『クーラー』で「TOYOTA CHOREOGRAPHY AWARD 2005 ―次代を担う振付家の発掘―」最終選考会に出場。2007年デビュー小説集『わたしたちに許された特別な時間の終わり』を発表し、翌年第2回大江健三郎賞受賞。2012年より、岸田國士戯曲賞の審査員を務める。2013年には初の演劇論集『遡行 変形していくための演劇論』を刊行している。クンステン・フェスティバル・デザール2007(ブリュッセル/ベルギー)にてチェルフィッチュ『三月の5日間』が初めての国外進出を果たして以降、その作品は、アジア、欧州、北米にわたる計70都市で上演されている。
チェルフィッチュ 公式ホームページ
F/T Books アーティスト選書
演出家コメント
やがてこの物語は、アメリカという大きな存在に直面することを余儀なくされるでしょう。わたしたちふたつの国のどちらもに大きな影響を与えてきた国。いまもわたしたちにその影響力を行使し続けている国。わたしたちの「上」にいる、わたしたちの「背後」にいる、わたしたちの「中」にある、わたしたちと「共」にある、アメリカ。この大きな影響力と、現状のそれとは違う関係を結ぶことはできないものでしょうか?
寄稿(文:ソ・ヒョンソク/翻訳:イ・ホンイ)
汝の症候を楽しめ
野球。
ごつい「マクガフィン」と言えるだろうか。4人の俳優たちは野球とは何かを問い、規定し、探求する。そうやって観客を巻き込む。なんだかんだの「野球談論」は自明でありながらも、あやふやな両国の情緒的同質性を描いて行く。そのように描かれた絵は、ダダ(Dada)の落書きのように、遊戯的で突発的である。野球を知らない女優たちの空振りと同じよう、その軌跡は空を描く。通念の裏側を鈍重に襲うのは、そのような遊戯的な虚しさであろう。舞台は一つの虚しい小宇宙になって、三国関係の素顔を露にする。そして風刺する。上演中、俳優たちが公表するように、舞台は現実に対しての「アレゴリー」なわけだ。現実の相応。
アレゴリーを働かす動力は、三つの人物像である。野球を知っている達人。野球の規則すら知らない若い女性。(幼い頃の野球にまつわる悪い記憶のせいで)野球があまり好きではない男性。野球に関することに限定なら、両国ともよくありがちな典型像である。ルールに対する好奇心から、熱烈な野球狂になった父の思い出、両国のメジャーリーガーの論評、そして野球に投影する人生哲学に至るまで、4人の俳優たちは、野球に関する多様な知識や観点、そして無知と空白を配列する。その軌跡は徐々に(舞台の床に描かれた)野球場の外部に向かう。
(岡田は語る。俳優イ・ユンジェは、まるで分身のように岡田自身の記憶を話す。岡田は日本人ではなく、韓国人を通じてやっと自分の個人的な話を気楽に舞台に乗せることができた。日本人俳優を通じるなら、なかなか難しいことだったという。同じ言葉と情緒の鏡像は、どうにも負担を感じてしまうのか。)
驚くことに、いや当然ながら、俳優たちが持つ知識の深さによって、あっという間に権力関係が作られる。野球は何もわからない女性がルールについて質問を投げたら、それを説明する男が瞬時に優越感を発散する、このような通俗ともいえる風俗図が舞台上で披露される。野球から人生観を築いた極端の野球狂は、自然に、彼らの上に臨む。食物連鎖のよう、縦の関係で一番上の位置を占める存在とは、勿論「アメリカ」である。声だけが聞こえる匿名の「アメリカ人」はドキュメント解説者のように、目には見えないが全てのことを見抜いているらしく、権威的な存在感を放つ。舞台の上の微物は、この見えない声と会話する時には、上を向かなくてはならない。彼は地面の人物に対し、寛大であるが断固としている。彼が施す慣用と包容は優越さのもう一つの名前である。舞台は権力の場である。権力のアレゴリーである。
「ビッグブラザー」下に置かれた群像は、その事実だけで一つの同質的な運命に結ばれる。一つの傘の下で併存していることを自覚する。信奉する対象が、イチローとパク・チャンホに分かれるだろうが、夜明けの大リーグ試合中継に熱狂し、自国の選手を応援する両国のファンの情緒は正にそっくりではないか。野球ワールドカップの規定に対する観点は違うとしても、この大会に興奮する両国民の姿は鏡像ではないか。この二つの国は、競争という名の下、きっと同じ夢を見ているのだ。アメリカという夢。
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ウラGBB
本作のドラマトゥルクであり、自身が演出家でもある金山寿甲(東葛スポーツ)が、創作の舞台ウラや作品の素材となる(?)ネタなどを投稿するクリエーションレポートサイト。2015年1月〜2月に行われた韓国での滞在制作の振り返りから、9月の韓国初演に向けて進行中の日本での創作の様子、キャスト・スタッフの知られざる素顔まで、他の誰にも書けない痛快なウラ話をお伝えします。
http://ura-gbb.tumblr.com/※最新投稿3件のタイトルを表示しています
キャスト/スタッフ
作・演出 | 岡田利規 |
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翻訳 | イ・ホンイ |
出演 | イ・ユンジェ、捩子ぴじん、ウィ・ソンヒ、野津あおい |
舞台美術 | 高嶺 格 |
衣裳 | 藤谷香子(FAIFAI) |
ドラマトゥルク | 金山寿甲(東葛スポーツ) 、イ・ホンイ |
舞台監督 | 鈴木康郎 |
照明 | 木藤 歩 |
音響 | 堤田祐史(WHITELlGHT) |
映像 | 須藤崇規 |
宣伝美術 | 野口路加 |
制作 | 中村 茜、黄木多美子、ケティング菜々、兵藤茉衣、河村美帆香(プリコグ) |
製作 | プリコグ、チェルフィッチュ |
国際共同製作 | Asia Culture Center – Asian Arts Theatre, フェスティバル/トーキョー、Taipei Arts Festival |
国際共同製作賛助 | FringeArts, Philadelphia; Japan Society, New York; Museum of Contemporary Art Chicago; The Clarice Smith Performing Arts Center at the University of Maryland; Wexner Center for the Arts at The Ohio State University |
リサーチ・ワークショップサポート | Doosan Art Center |
協力 | 城崎国際アートセンタ一、急な坂スタジオ、サンプル |
Asia Culture Center – Asian Arts Theatre 委嘱作品 |
東京公演 | |
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制作 | 黄木多美子(プリコグ)、岡崎由実子、十万亜紀子(フェスティバル/トーキョー) |
主催 | フェスティバル/トーキョー |
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