振付:ウンラー・パーウドム、ヌーナファ・ソイダラ
伝統と現代文化が共に生きる
“ラオスに耳を傾ける”ダンスカンパニー
伝統舞踊とヒップホップのテクニックを共存させたクリエーションのみならず、ワークショップの開催やフェスティバルの主催などを通じ、ラオスのダンス・シーンを牽引するファンラオ・ダンスカンパニー。初めての来日公演となる今回は、ブレイクダンスや伝統武術、伝統音楽モーラムを用いラオス南部の文化を伝える男性デュエット作『Bamboo
Talk (バンブー・トーク)』と、女性ダンサー3名が伝統舞踊とヒップホップを織り交ぜ、現代ラオス女性のリアルを伝える『PhuYing
(プニン)』の2作品を紹介します。「ファンラオ」とは、ラオスに耳を傾けるの意。急速な経済成長、近代化の波の中で、人々は何を感じ、暮らしているのか。その素顔とあらたに紡ぎ出されつつある独自のダンス文化の一端が、ここに描き出されます。
<トランスフィールド
from アジア>
舞台芸術が持つフィクションの力は、都市にどのように働きかけるのでしょう。2018年からのフェスティバル/トーキョーは、自らを「人と都市から始まる舞台芸術祭」と称し、さまざまなプログラム=場を東京のまちなかに組み込んでいます。
そのひとつが新シリーズ「トランスフィールド
from
アジア」。F/T14以後行われてきた国別の特集「アジアシリーズ」を、国や分野の境界が融解するアジア全体の状況を取り上げるものとしてアップデートしたF/T18「トランスフィールド」での出会い、協働作業は、アジア発の横断的な文化の可能性をあらためて実感させるものでした。この新シリーズでは、その経験をさらに深め、観客の皆さんとも共に、これからのアジアの文化を築く原動力となる場を目指していきます。
公演名 | ファンラオ・ダンスカンパニー “Bamboo Talk” “PhuYing” |
---|---|
日程 |
10/25 (Fri) 19:30★ |
会場 | 東京芸術劇場 シアターイースト |
上演時間 | 60分 |
チケット種類 | 自由席(整理番号つき) |
一般前売り | ¥3,500 |
---|---|
学生 |
¥2,300※1 |
高校生以下 | ¥1,000※2 |
当日 | ¥4,000 |
3演目セット | ¥3,000 |
※1 当日券共通。当日受付で要学生証提示
※2 当日券共通。当日受付で要学生証または年齢確認可能な証明書の提示
F/Tチケットセンター (24時間受付)
電話予約: 03-5961-5209
開設期間:8月28日~11月10日
(会期中無休、9/2~10/4は土日祝定休)
2013年ラオスの首都ビエンチャンにて、ヌーナファ・ソイダラ、ウンラー・パーウドムによって結成されたダンスカンパニー。ラオスでは初の、伝統とコンテンポラリーの融合を図る実験的でクリエイティブなダンスカンパニーとして、ワークショップの開催、レッスンクラスの開講のほか、ショーケースの上演やフェスティバルの主催、海外ツアーなども行う。
14歳の時、ラオス南部のチャムパーサックからビエンチャンへ移住。2004年からラオバンファイ・アソシエーションのもとでヒップホップダンスを始める。アジアやフランスで数々の公演、バトルに参加した後、2013年ファンラオ・ダンスカンパニーを設立。
ラオスの伝統舞踊を学び、2006年ウンラー・パーウドムを通じヒップホップダンスに、オレ・カムチャンラを通じコンテンポラリーダンスに触れる。2008年以後はフランス国内を巡りつつ、ベルギー、ルクセンブルク、マレーシアでも滞在制作を行う。2013年ファンラオ・ダンスカンパニーを設立。
振付・出演のウンラー・パーウドムとヌーナファ・ソイダラによるワークショップの開催が決定しました。
ダンス経験者向けとし、ラオスの伝統舞踊とHIPHOPを融合させたファンラオ・ダンスカンパニーのダンスに直に触れられる貴重な場となります。ぜひご応募ください。
日時:10月22日(火) 13:00~16:15
会場:都内スタジオ(参加者の方へ別途ご連絡いたします)
参加費:2,000円
詳細はこちら
https://www.festival-tokyo.jp/19/program/fanglao/ws.html
『Bamboo Talk』 | |
---|---|
振付 | ウンラー・パーウドム |
出演 | ウンラー・パーウドム、パソムシン・ポムマヴォン |
照明 | タ |
衣装 | ポンパサート・クーンプーヴォン |
記録写真 | フランソワ・ハーヴィー |
製作 | ファンラオ・ダンスカンパニー |
『PhuYing』 | |
振付 | ヌーナファ・ソイダラ |
出演 | ヌーナファ・ソイダラ、シリバンオン・ヴォンサ、ソムワンペン・ケオルアンラート |
照明 | ウンラー・パーウドム |
記録写真 | シーサマン・ディーマーク |
音楽 | MATMOS:"The Purple Island", Amiina: "Sexfaldur", Aphex Twin: "Nannou" |
共同製作 | SDC/LCCF 在ラオス国 スイス大使館 |
製作 | ファンラオ・ダンスカンパニー |
東京公演 | |
技術監督 | 寅川英司 |
技術監督アシスタント | 横川奈保子 |
舞台監督 | 福澤汐莉 |
演出部 | 翁長聖菜 |
照明コーディネート | 木下尚己(株式会社ファクター) |
音響コーディネート | 相川 晶(有限会社サウンドウィーズ) |
テクニカル通訳 | 三矢規古 |
宣伝美術 | TAICHI ABE DESIGN INC. |
記録写真・記録映像 | 藤川琢史、宮澤響(Alloposidae) |
制作 | 武田侑子(フェスティバル/トーキョー)、TASKO inc.(小森あや) |
制作アシスタント | 鈴木千尋 |
インターン | 矢野百合子、柚木桃香、横井樹らら |
共催 | 国際交流基金アジアセンター |
主催 | フェスティバル/トーキョー |
ヴィヴィアン佐藤(美術家) 小鳥のさえずりから始まる舞台は、水田や農場における労働やその土地とダンサーの身体にも残っているかもしれない古武術の片鱗であろうか。ミニマルテクノがあたかも大地と身体の鼓動とも言える現代、高温多湿の土や水のラオスではなく、乾いたステージで繰り広げられるコレオグラフィは印象的だ。刻々と変化する日差しや時間帯、傘により顔が見えない演出は固有性が没し、その土地の自然発生的な民族性が際立つ。人工月光の下の儀式は、芸術と芸能の対峙、そして芸能が生まれた原初の記憶を呼び起こす。 ...
(インタビュー・文:武藤大祐) 平均年齢が低く、若者が文化をハイテンションで牽引する東南アジアでは、コンテンポラリーダンスも急激に発展している。...