シンポジウム

「劇評の今から見る、国際フェスティバル事情」
登壇者:野田 学 (明治大学教授、AICT/IATC日本センター会員、『シアターアーツ』編集部)他

 国際演劇評論家協会に属する国内外の評論家を招き、海外フェスティバルの現状や各国における劇評の現在、その役割を紹介。国内外のネットワーク構築に向けて、海外進出に向けての国際フェスティバルの役割について討論する。


日程10/9(月) 14:00-17:00 途中入退場自由
会場早稲田大学戸山(文学部)キャンパス 33号館3階第1会議室
入場料無料(予約優先)
言語英語(日本語逐次通訳付き)
登壇者ユンチョル・キム(韓国国立劇団芸術監督、AICT/IATC前会長)、
オクタヴィアン・サイウ(演劇評論家、AICT/IATC副事務総長・ルーマニア支部会長)、
藤井慎太郎(早稲田大学文学学術院教授、AICT/IATC日本センター会員)、
野田 学 (明治大学教授、AICT/IATC日本センター会員、『シアターアーツ』編集部)、
市村作知雄(F/T ディレクター)

主催フェスティバル/トーキョー、国際演劇評論家協会(AICT/IATC)日本センター、早稲田大学文学部演劇映像コース

特別講座

「アラブ演劇の現在」
講師:ガンナーム・ガンナーム(劇作家・演出家・アラブ演劇協会(ATI)出版広報部マネージャー)

 国際演劇協会(ITI)日本センターでは12月、ガンナーム・ガンナーム作『朝のライラック(ダーイシュ時代の死について)』をリーディング公演で紹介する。これに先駆けて作家が来日。来年10度目の開催を迎える「アラブ演劇フェスティバル」などATIの活動とアラブ演劇の「いま」を語る。


トーク
10月6日「アラブ世界の演劇フェスティバル」 聞き手:市村作知雄(フェスティバル/トーキョー ディレクター)
10月7日「アラブ世界の中の演劇と私」 聞き手:岡真理(現代アラブ文学研究者、京都大学大学院人間・環境学研究科教授)

ガンナーム・ガンナーム

演出家、劇作家、俳優(ヨルダン[パレスチナ])

1955年ジェリコ生まれ。1984年から演劇活動を開始。ヨルダン芸術家連盟会員、ヨルダン演劇人協会会員。アラブ演劇協会(ATI、在シャルジャ)等の設立に参加。現在はアラブ演劇協会で出版・広報責任者を務めるほか、アラブ圏の多数の演劇祭で審査員を務める。代表作に故ガッサーン・カナファーニー原作の一人芝居『ハイファに戻って』。戯曲『朝のライラック(ダーイシュ時代の死について)』(2016)でのヨルダン文化省創造賞のほか、戯曲賞、演出賞を多数受賞。最新作はモノドラマ『私は亡命先で死ぬ』(2017、作・演出・出演)。

日程10/6(金) 18:30-21:00
10/7(土) 14:00-16:30
会場東京芸術劇場アトリエイースト
入場料500円(予約優先)
言語アラビア語(日本語逐次通訳付き)
文化庁委託事業「平成29年度次代の文化を創造する新進芸術家育成事業」
主催文化庁、国際演劇協会日本センター
共催フェスティバル/トーキョー

トーク


作品への理解を深め、世界の演劇の「今」を知ることができる、さまざまなトーク企画を実施。追加のプログラムは随時ウェブサイトなどで発表予定です。

『Toky Toki Saru』ラウンジトーク

登壇者:ピチェ・クランチェン ほか

F/T17オープニング作品として、ピチェ・クランチェンが新たに創作した『Toky Toki Saru』。東京でのリサーチ、バンコクと東京で行われたクリエイションなど、作品製作のプロセスを紹介します。

会場レストランセゾン(東池袋 1-30-7 ホテルグランドシティB1)
日程10/1(日)17:30~
入場料500円(予約優先)
言語タイ語、英語(日本語逐次通訳つき)
所要時間120分(予定)
※受付開始・開場は開始の30分前




セゾン・アーティスト・イン・レジデンス ヴィジティング・フェローによるパブリック・トーク
「ラトビアの首都、リガのインディペンデントの舞台芸術シーンについて語る」

ラトビアのNEW THEATRE INSTITUTE OF LATVIAでプロデューサーとして活動し、セゾン文化財団のヴィジティング・フェローとして来日するラウラ・スタザネを迎え、パブリック・トークを開催いたします。トークでは、インディペンデントに活動するNEW THEATRE INSTITUTE OF LATVIAの活動を中心に、バルト海地域最大級の舞台芸術フェスティバル「Homo Novus」やラトビアの最新の舞台芸術の動向についてお話いただく予定です。

登壇者:ラウラ・スタザネ

ラトビアのNew Theatre Institute of Latviaでプロデューサー、プログラム・キュレーターとして主にコンテンポラリーダンスのプログラムを担当し、バルト海地域最大級の舞台芸術フェスティバル「Homo Novus」や国際プロジェクト「Dance Move Cities」等を手掛けている。「Dance Move Cities」の一環として、contact Gonzoを招へいして作品をプロデュースしたほか、2015-16年にはハイネ・アヴダルと篠崎由紀子を招へいし、ラトビアの振付家や音楽家との共同制作作品をプロデュースしている。日本には、2011年のTPAM in 横浜に来日。

会場東京芸術劇場アトリエイースト
日程10/10(火)19:00-20:30
入場料無料
言語英語・日本語通訳
ご予約セゾン文化財団の以下のウェブサイトを参照の上、森下スタジオまでEmailまたは電話でお申し込みください。
URL: http://www.saison.or.jp/r_morishita/index.html
Email: Laura2017@saison.or.jp
電話番号: 03-5624-5951 (森下スタジオ)
予約開始日時2017年9月25日(月)
主催公益財団法人セゾン文化財団
共催フェスティバル/トーキョー




「劇場と日常生活は地続きになるのか? 建築/デザイン/演劇を越境しての対話」

様々なバックボーンを持つ人々が交差するはずの劇場空間は、都市や人間にどのように開いていけるのでしょうか。建築/デザイン/演劇、それぞれの視点から「人=場所=都市」の接続の仕方を模索しつづけているアーティストたちが、劇場と日常生活が繋がる可能性について考えます。実際にtomito architectureと阿部太一がデザインしたF/Tステーションの空間(東京芸術劇場ロワー広場)を見ながら、「劇場」の意味や役割を解きほぐします。


登壇者:冨永美保+伊藤孝仁(tomito architecture)、阿部太一(GOKIGEN)、藤原ちから(BricolaQ)
日程10/13(金) 19:00
会場東京芸術劇場 アトリエイースト
入場料500円(予約優先)



登壇者プロフィール

トミトアーキテクチャ / tomito architecture

冨永美保と伊藤孝仁による建築設計事務所。2014年に結成。 日常への微視的なまなざしによって環境を観察し、出来事の関係の網目の中に建築を構想する手法を提案している。主な仕事に、丘の上の二軒長屋を地域拠点へと改修した「カサコ/CASACO」、都市の履歴が生んだ形態的特徴と移動装置の形態を結びつけた「吉祥寺さんかく屋台」などがある。


阿部太一

アートディレクター、グラフィックデザイナー。1981年生まれ。2012年GOKIGEN設立。舞台の宣伝美術、ブックデザインを中心にWEBや店舗のグラフィックも手がける。主な仕事に平成中村座2013年春秋公演、横浜能楽堂「SAYUSA-左右左」、TPAM国際舞台芸術ミーティングin横浜2013~2017、NIDF新潟インターナショナルダンスフェスティバル2015・2017、Noism『ラ・バヤデール』、チェルフィッチュ『わかったさんのクッキー』。F/Tでは過去にアンジェリカ・リデル『地上に広がる大空』、クリスチャン・ルパ『Woodcutters ― 伐採 ―』等を担当。


藤原ちから(BricolaQ)

1977年高知生まれ、横浜在住。BricolaQ主宰。出版社勤務の後、雑誌「エクス・ポ」、武蔵野美術大学「mauleaf」、世田谷パブリックシアター「キャロマグ」などの編集を経て、批評家として活動する。徳永京子との共著に『演劇最強論』、またウェブサイト「演劇最強論-ing」を共同運営。ラジオ「横浜サウンド☆クルーズ」に出演。また横浜、城崎、マニラ、デュッセルドルフ、韓国・安山等で遊歩型ツアープロジェクト『演劇クエスト』を滞在制作するほか、新シリーズ『港の女(Woman In A Port)』をマニラで初演。国内外でキュレーションを行うこともある。2017年度よりセゾン文化財団シニア・フェロー。



展示


F/T17や上演演目にまつわる展示をおこないます。


豊島区立中央図書館 9月23日(土)〜11月23日(木)(休館日を除く)
豊島区庁舎まるごとミュージアム 9月1日(金)〜10月30日(月) ※閉庁時を除く




F/Tステーション

会期中の2週間、フェスティバルの入り口として来場者を緩やかに巻き込み、多様な切り口から舞台芸術と出会う空間が登場。本年は東京芸術劇場アトリエイーストに加え、アトリエウエストを使用し、フロア全体でフェスティバル感を演出します。フェスティバルの最新情報の紹介だけではなく、F/T参加アーティストによる選書や、F/Tのこれまでの歴史をたどれるアーカイブ機能を設置予定。またトークイベント・上映会など、フェスティバルや演目についての理解を深め、人々の交流をつくる関連企画を実施します。



日程10月4日(水)〜10月15日(日) 12:00-20:00

※10月15日(日)のみ12:00-18:00 イベントがある場合には、オープン時間がかわります。
会場東京芸術劇場 アトリエイースト、アトリエウエスト、ロワー広場など



ワールド・カフェ

『わたしが悲しくないのはあなたが遠いから』から始めるワールド・カフェ
日程10月14日(土)14:00の回終演後 ※15:30頃を予定
所要時間約2時間
会場東京芸術劇場アトリエイースト(リアル会場)、Zoom(オンライン会場)

※オンライン会場はZoomというWEB会議システムを使用します。
定員20名(リアル会場)
※リアル会場は定員に達したため、受付を終了いたしました。オンライン会場は引き続き受け付けております。



 F/Tでは、2015年より新しい観劇体験の方法として「《観劇体験を深める》 ワールド・カフェ」の実践に取り組んできました。今年は発展版の試みとして『わたしが悲しくないのはあなたが遠いから』の作品から対話を始めてみます。
 隣り合った2劇場で異なる2つの視点から描かれるひとつの作品を上演する当作品は、ひとりでは全容を目撃することはできません。けして近づくことはできない他者や出来事の存在を感じながら、作品を鑑賞します。
 ワールド・カフェは、作品のコンセプトや観劇後に感じたこと、考えたことをシェアすることから始まります。今回、新しい試みとして、日本でも実践の少ない「ハイブリッド・ワールド・カフェ」の手法で語り合います。直接顔を合わせるリアルの場と、インターネット上で会場とつながるオンラインの場。壁で隔てられた二つの空間を使用する『わたしが悲しくないのはあなたが遠いから』の作品ならではの対話空間になるでしょう。
 作品から始まる対話に、知識や経験は重要ではありません。どこに流れ着くかわからない対話の旅を楽しみながら、新しい物語を見つけにきてください。
※今回は企画の特性上、作品に興味はあるけれど観劇できなかったという人でもご参加いただけます
詳細はこちら  

ファシリテーター
Shirakawa_yoichi

白川陽一

普段は名古屋市青少年交流プラザでユースワーカーとして活動。その他、若者の成長に関わる多くの場で、対話と学びのファシリテーターを務める。個々の自立や社会参画を育むための、家でも職場でもない第三の居場所(サードプレイス)づくりがテーマ。各種ワークショップの企画、計画、運営(コーディネート)、進行などを行ったり、そのような場をつくりたい人のための相談役として活動する。青学23期ワークショップデザイナー。「静岡から社会と芸術について考える合宿WS(SPAC主催)」ファシリテーター。


Hiramatsu_takayuki

平松隆之

劇団うりんこ/うりんこ劇場制作部所属。阪大1期ワークショップデザイナー。NPO法人芸術の広場ももなも理事。せんだい短編戯曲賞選考委員。子ども、地域、演劇をキーワードに様々な活動を行う。主なプロデュース作品:2010/2012年『お伽草紙/戯曲』(原作=太宰治・戯曲=永山智行・演出=三浦基)、2011年『クリスマストイボックス』(作/演出=吉田小夏)、2014年『妥協点P』(作/演出=柴幸男)、2016年『めぐる、ぐるぐる』(作/演出=永山智行)など。



映像上映

<ドキュメンタリー>
『侵蝕―イスラエル化されるパレスチナ―』
(『届かぬ声―パレスチナ・占領と生きる人々』第2部)(2009年)
監督・撮影・編集:土井敏邦

家屋を破壊され居住権を奪われるエルサレムのパレスチナ人住民たち、“分離壁”によって土地と資源を侵蝕され、国家建設の基盤を失っていく人びとの現実とその苦悩を描いていく。


日程10/8 (日)14:00
会場東京芸術劇場アトリエイースト
入場料無料(予約不要)
言語アラビア語・英語上映、日本語字幕
上映時間121分

ⓒ2009 DOI Toshikuni / SIGLO


土井敏邦

フリージャーナリスト

1953年、佐賀県生まれ。1985年よりパレスチナ・イスラエルの現地を取材。2009年、『届かぬ声―パレスチナ・占領と生きる人びと』全4部作を完成。その第4部『沈黙を破る』で早稲田ジャーナリズム大賞を受賞。2015年7月に『ガザ攻撃 2014年夏』、12月に『ガザに生きる』(全5部作)映画DVDを完成。主な著書に『アメリカのユダヤ人』(岩波新書・1991年)『沈黙を破る』(岩波書店・2008年)など多数。



<F/T14主催プログラム・記録映像>
『羅生門|藪の中』
ジョージ・イブラヒム(アルカサバ・シアター)(アーティスティック・ディレクター)[パレスチナ]× 坂田ゆかり(演出)× 目(美術)× 長島 確(ドラマトゥルク)

『パレスチナ、イヤーゼロ』の主演をつとめるジョージ・イブライム(アルカサバ・シアター/ディレクター)が、F/T14にて演出家・坂田ゆかりとタッグを組み、さらにドラマトゥルク・長島確、舞台美術に現代芸術活動チーム「目」も参加して創作し公演した『羅生門|藪の中』を上映する。 芥川龍之介の『羅生門』『藪の中』と、黒澤明による映画版をもとに書かれた戯曲『Rashomon』(アラビア語版)を題材にした本作は、占領下に暮らすパレスチナ俳優を起用することによって、ひとつの出来事を複数の視点から描かれた、その「真実」や「正義」の曖昧さを暴いた原作の核をさらに浮き彫りにしていく。
F/T14『羅生門|藪の中』公演情報はこちら


日程10/9 (月・祝)15:30
会場東京芸術劇場アトリエイースト
入場料無料(予約不要)
言語アラビア語上演、日本語字幕
上演時間80分
映像提供:フェスティバル/トーキョー
ⓒMé