『わたしが悲しくないのはあなたが遠いから』から始めるワールド・カフェ

 F/Tでは、2015年より新しい観劇体験の方法として「《観劇体験を深める》 ワールド・カフェ」の実践に取り組んできました。今年は発展版の試みとして『わたしが悲しくないのはあなたが遠いから』の作品から対話を始めてみます。
 隣り合った2劇場で異なる2つの視点から描かれるひとつの作品を上演する当作品は、ひとりでは全容を目撃することはできません。けして近づくことはできない他者や出来事の存在を感じながら、作品を鑑賞します。
 ワールド・カフェは、作品のコンセプトや観劇後に感じたこと、考えたことをシェアすることから始まります。今回、新しい試みとして、日本でも実践の少ない「ハイブリッド・ワールド・カフェ」の手法で語り合います。直接顔を合わせるリアルの場と、インターネット上で会場とつながるオンラインの場。壁で隔てられた二つの空間を使用する『わたしが悲しくないのはあなたが遠いから』の作品ならではの対話空間になるでしょう。
 作品から始まる対話に、知識や経験は重要ではありません。どこに流れ着くかわからない対話の旅を楽しみながら、新しい物語を見つけにきてください。
 

■開催概要
開催日時:10月14日(土)14:00の回終演後 ※15:30頃を予定
所要時間:約2時間
会場:東京芸術劇場アトリエイースト(リアル会場)、Zoom(オンライン会場)
※オンライン会場はZoomというWEB会議システムを使用します。
 はじめての方はこちらをご覧ください→ハイブリッド・ワールド・カフェの手引き
定員:20名(リアル会場)※リアル会場は定員に達したため、受付を終了いたしました。オンライン会場は引き続き受け付けております。
申し込み方法:申込フォームよりお申し込みください。オンライン参加の方の場合は後日参加方法をお伝えします。

お申し込みはこちら→https://ssl.form-mailer.jp/fms/1c57264e463836

※今回は企画の特性上、作品に興味はあるけれど観劇できなかったという人でもご参加いただけます。
※オンライン会場でのご参加の場合、1人につき1台のパソコンまたはスマートフォンをご準備ください。ネット環境・マイク機能を必要としますので、電波がよく、静かなところでのご参加をお勧めします。

 

■ファシリテーターからのメッセージ
おかげさまで、ここ最近のF/Tでは、毎年「観劇体験を深めるワールド・カフェ」の実践をさせてもらっています。
そこでは毎回、同じ空間に居合わせた観客の方たちが、お互いに見たこと・感じたこと・考えたこと等を対話する場になっています。

あの日、600kmほど離れた東の方で、震災がありました。
私は名古屋にいました。
遠いところにいた私は、あの時、遠いところにいた人たちと何を分かち合えたでしょうか?
というか、当事者性が異なる人たちと、そもそも何を分かち合えるものなのでしょうか?
そういうことが、ずっと気になっていました。

今回の柴さんの作品は、同じフロアにある2劇場にて、同タイトルでバージョンの異なる作品を同時刻に上演します。
その中核にあるのは「(心理的・物理的な)距離」であり、この特徴を踏まえた対話の場をひらけないだろうかと思いました。

今回は、時間と空間を越えた人たちとも、対話します。
「現実世界の対話の場」と「オンラインの対話の場」を同時刻に並行して行い、リアルとオンラインがハイブリッドになったワールド・カフェをひらいてみたいと思います。

震災の話をしようとしているのではありません。
震災以降の表現を扱った作品について語り合ってみようということです。
その先に、きっと現代の私たちがみえることを信じて。

作品にクロスオーバーする対話の場。
ハイブリッド・ワールド・カフェでぜひご一緒しましょう。

白川陽一

 
■ファシリテータープロフィール
白川陽一
普段は名古屋市青少年交流プラザでユースワーカーとして活動。その他、若者の成長に関わる多くの場で、対話と学びのファシリテーターを務める。個々の自立や社会参画を育むための、家でも職場でもない第三の居場所(サードプレイス)づくりがテーマ。各種ワークショップの企画、計画、運営(コーディネート)、進行などを行ったり、そのような場をつくりたい人のための相談役として活動する。青学23期ワークショップデザイナー。「静岡から社会と芸術について考える合宿WS(SPAC主催)」ファシリテーター。
 

平松隆之
劇団うりんこ/うりんこ劇場制作部所属。阪大1期ワークショップデザイナー。NPO法人芸術の広場ももなも理事。せんだい短編戯曲賞選考委員。子ども、地域、演劇をキーワードに様々な活動を行う。主なプロデュース作品:2010/2012年『お伽草紙/戯曲』(原作=太宰治・戯曲=永山智行・演出=三浦基)、2011年『クリスマストイボックス』(作/演出=吉田小夏)、2014年『妥協点P』(作/演出=柴幸男)、2016年『めぐる、ぐるぐる』(作/演出=永山智行)など。

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