コンセプト・ディレクション:北澤 潤
ジョグジャカルタ式屋台と共に出現する
どこにもないオアシス
母国を離れて暮らす人びとの記憶から故郷を再現する『NEIGHBOR’S LAND』(18)など、フィールドワークを重ね、さまざまな人々と協働しつつ、あらたなコミュニティの創造に取り組む北澤潤。本プロジェクトは、彼が拠点とするインドネシア・ジョグジャカルタではおなじみの「アンクリンガン」を、池袋周辺に出現させることからスタートします。アンクリンガンとは、街に点在するシートに覆われた屋台型商店のことで、内部は外の世界からは隠されています。コーヒーや軽食を買うだけでなく、店主や周りの客との会話を楽しむなど、そこには目的のないのんびりとした時間が流れています。日本在住のインドネシアの人々も巻き込みつつ複数箇所にわたって展開するF/T版アンクリンガン。そこは都市のどこにも属さない「空白」であり、ここにしかない「行き場」にもなるはずです。
公演名 | NOWHERE OASIS |
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日程 |
11/1 (Fri) – 11/10 (Sun) |
会場 |
東京芸術劇場 劇場前広場ほか
※アンクリンガンは池袋駅西口周辺の複数箇所で展開されます。展開場所は日によって異なります。 東京芸術劇場 劇場前広場の受付にて当日アンクリンガンが展開されている場所をご案内いたしますので
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アンクリンガンの中で日々交わされる雑談。 そこでは大半のくだらない話に混じりながら、 政治についての意見が飛び交い、まちの噂が共有され、 時にはジャワの神話が語られることもあります。 あちこちに点在するアンクリンガンたちは、 ローカルなメディアネットワークでもあるのです。
『NOWHERE OASIS』の期間中、 全3回、ゲストを招いたトークイベント 「デイリー・ダイアローグ」をおこないます。 日常の会話を公開するようにゆるやかな雰囲気で、 プロジェクトの背景や各会場での出来事を語り合い、 アンクリンガンでのそれぞれの体験を捉え直していきます。 各回異なるゲストとのフリートークを通して、 新たな視点の発見と共有を目指します。
できれば事前にアンクリンガンを訪れた上で、 防寒対策をしてお集まりください。
会場:東京芸術劇場 劇場前広場
予約不要・参加無料
話し手:北澤 潤 (美術家 / 『NOWHERE OASIS』コンセプト・ディレクション)
第1回 | 11月3日(日) 18:00~19:00 ゲスト:砂連尾 理 氏(振付家・ダンサー) 言語:日本語 |
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第2回 | 11月7日(木) 18:00~19:00 店員役のインドネシア人メンバーたちとのトーク ゲスト:アンクリンガン店員 レトノ・ワタナベ氏ほか 言語:日本語・インドネシア語(逐次通訳あり) |
第3回 | 11月9日(土) 18:00~19:00 ゲスト:レオナルド・バルトロメウス氏(アートコレクティブ・ルアンルパ メンバー) 言語:日本語・インドネシア語(逐次通訳あり) |
91年、寺田みさことダンスユニットを結成。近年はソロ活動を中心に京都・舞鶴の高齢者との「とつとつダンス」、宮城・閖上(ゆりあげ)の避難所生活者の取材が契機となった「猿とモルターレ」を発表、また映画「不気味なものの肌に触れる」(濱口竜介監督)の出演、振付など。 著書に「老人ホームで生まれた〈とつとつダンス〉―ダンスのような、介護のような―」(晶文社)。立教大学 現代心理学部・映像身体学科 特任教授 HP: https://www.osamujareo.com
1987年インドネシアのJawa Barat / Depok生まれ。オープンエデュケーションプラットフォームを展開するジャカルタを拠点とするアートコレクティブ、「Ruangrupa dan Gudskul Ekosistem」のメンバー。Jakarta Institute of Artで陶芸を学び、インデペンデントキュレーターとしてインドネシアの歴史上の問題に取り組み、近年ではオープンエデュケーションや共同プロジェクトを多数手がける。2013年には最初の本、「Publik dan Reklame di Ruang Kota Jakarta」をKarbonjournal.orgとの共著で発表。ジャカルタ、スマラン、スラバヤのキュレーター達とともにキュレーター集団・KKK(Kolektif Kurator Kampung)を結成。2019年7月に山口情報芸術センター(YCAM)のキュレーターチームに参加・着任。
1988年東京生まれ、ジョグジャカルタ拠点。東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。合同会社北澤潤八雲事務所代表、STUDIO BELIMBINGディレクター。フィールドワークを通して「ありえるはずの社会」を構想、さまざまな人々との協働のもとにその現実化に取り組むプロセスを芸術実践とする。2016年、米経済紙Forbes「30 Under 30 Asia」アート部門選出。
コンセプト・ディレクション | 北澤 潤 |
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アンクリンガン店員 | レトノ・ワタナベ ほか |
コラボレーター | 南波 圭、洪 雄大、竹田英司 |
プロジェクトアシスタント | 遠藤純一郎、ムニフ・ラフィ・ズディ、 アニーサ・プトゥリ・チンデラカシ、アナスタシア・ユアニタ |
デザイン | 川村格夫 |
通訳・翻訳 | 山脇照里 |
記録 | 藤川琢史、宮澤 響(Alloposidae)、リズキー・ヌル・ウィジャットマジャ |
制作 | 荒川真由子、松宮俊文(フェスティバル/トーキョー)、加藤夏帆(TASKO inc.)、金井美希 |
インターン | 植松七海、纐纈涼香、杉田 亮 |
協力 | ジャワ料理専門店モンゴ モロ、アートムルデカ、アンクリンガン45バヤット、ジョグジャカルタビエンナーレ |
後援 | インドネシア共和国大使館 |
主催 | フェスティバル/トーキョー |