山海塾主宰・振付家・演出家・舞踏家
1949年横須賀市生まれ。75年に山海塾を創設。80年より海外ツアーを開始し、あらゆる文化圏で絶大な支持を得る。81年より、フランスおよびパリ市立劇場を創作の拠点とし、82年からはおよそ2年に1度のペースで、同劇場にて作品を発表。演出・振付のみならず、空間や衣裳デザイン等を総合的に手がけ、現在まで、世界43ヶ国で上演を重ねる。主な受賞作として、02年『ひびき』が第26回ローレンス・オリヴィエ賞・最優秀新作ダンス作品賞受賞。07年『とき』が第6回朝日舞台芸術賞グランプリ受賞など。
山海塾以外では、『風姿』(88年)、『アポカリプス』(89年)、『フィフス-V』(90年)等の作品を手がけるほか、97年に東京でのバルトークのオペラ『青ひげ公の城』を演出以降、ペーター・エトヴェシュによる新作オペラ『三人姉妹』(98年)および“Lady SARASHINA”(08年)を、リヨン国立歌劇場にて演出する等、幅広く活躍。なおエトヴェシュとの両オペラ作品では、共にフランス批評家協会最優秀賞を受賞。
1975年に主宰・天児牛大によって設立された舞踏カンパニー。1980年より海外公演を開始し、1982年からは、世界のコンテンポラリーダンスの最高峰であるパリ市立劇場(※1 THEATRE DE LA VILLE, PARIS)を創作活動の本拠地として、およそ2年に1度のペースで新作を発表している。
1982年以降の作品は、すべてパリ市立劇場との共同プロデュース(※2) 。日本で生まれたカンパニーでありながら、厳しく作品の質を問う同劇場が、25年以上にも渡り共同プロデュース形式で創作を支援し続けているカンパニーは、世界でもわずかしか存在しない。
山海塾の作品は、演出・振付のほか、空間や衣裳のデザインも総合的に天児牛大が創作している。天児は一貫して舞踏を「重力との対話」として捉えながら、「誕生」「死」といった普遍的な人間の内的本質に迫る。身体言語に基づく独自のアートフォーム(表現形態)を創りあげたこと、作品の普遍性、そして何よりもその表現の芸術的強度によって、世界各国できわめて高い評価を得てきた。
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