火の顔
プロフィール 火の顔 演出:松井周(サンプル)作:マリウス・フォン・マイエンブルグ

松井 周 Shu Matsui

1972年東京都生まれ。劇団「サンプル」主宰。1996年に俳優として劇団「青年団」に入団。『東京ノート』『S高原から』など同劇団の代表作に数多く出演。俳優活動を続けながら戯曲を執筆し、青年団若手自主企画公演『通過』(処女作)、『ワールドプレミア』(二作目)が日本劇作家協会新人戯曲賞に入賞。『地下室』、青年団リンク・サンプル公演『シフト』を経て、2007年9月『カロリーの消費』で正式に劇団「サンプル」を旗揚げ。その作品世界は、価値を反転させることと空間・身体・時間の可能性を探り続けることを特徴とする。2008年には、文学座+青年団自主企画交流シリーズにて、初めて自作以外の戯曲、サラ・ケイン作『パイドラの愛』を演出している。その他、小説の執筆や大学講師など、幅広い活動を行っている。

<作者プロフィール>

作:マリウス・フォン・マイエンブルグ Marius von Mayenburg

1972年、ドイツ・ミュンヘン生まれ。1994年~98年にベルリン芸術大学で劇作を学び、在学中に執筆した『火の顔』を1997年に発表。1998年からベルリン・ドイツ座構内の仮設スペース「バラック」の共同制作メンバーとして、演出家トーマス・オスターマイアーらとともにドイツ演劇の「新リアリズム演劇」と呼ばれる新しい流れの一翼を担う。1999年、「バラック」のチームは、シャウビューネ劇場に移り、座付き劇作家兼ドラマトゥルクとして活躍する。以後、『パラサイトたち』『冷たい子ども』『エルドラド』などの戯曲を執筆するとともに、サラ・ケイン『渇望』などの戯曲翻訳や舞台演出にもたずさわる。

<出演者プロフィール>

猪股俊明 Toshiaki Inomata:父

福岡県博多出身。舞台芸術学院入学を機に上京。テントにて旅公演、一人芝居興行などを経て、中村座解散後の金杉忠男アソシエーツに入団。現在はフリーの俳優として活動し、ファイン・ベリー、ONEOR8、菅間馬鈴薯堂、青年団、ハイバイ、クロカミショウネン18などに出演。近作のハイバイ公演『て』、クロカミショウネン18公演『祝/弔』では、それぞれ父親役として出演し、観客に強烈な印象を残した。

大崎由利子 Yuriko Osaki:母

1975年より劇団中村座(後に金杉忠男アソシエーツと改名)に参加。98年の解散までほとんどの作品に出演。解散後、『AMERIKA』『失踪者』『審判』 『城』(作:F・カフカ、演出:松本修)、『ミレナ』『朝焼けのマンハッタン』(作:斎藤憐・演出:佐藤信)、『ファゥスト』(作:ゲーテ・演出:白井晃) などに出演。また、『上野動物園再々々襲撃』などの青年団 本公演や青年団の若手演出家作品にも多数出演している。松井作品への出演は今回が初めて。

野津あおい Aoi Nodu:オルガ(姉)

1985年、東京生まれ。俳優として活動しながら、演出、振付などもおこなう。出演作に、サンプル『家族の肖像』、乞局『杭抗』、五反田団『生きてるものはいないのか』など。

菅原直樹 Naoki Sugawara:クルト(弟)

1983年栃木県生まれ。桜美林大学卒業。主な出演作品にOPAP+青年団『もう風も吹かない』(作・演出:平田オリザ)、田上パル『そうやって云々頷いていろ』(作・演出:田上豊)、急な坂スタジオ『ラ・マレア 横浜』(作・演出:マリアーノ・ペンソッティ)、多摩川アートライン2008『川のある町に住んでいた』(作・演出:柴幸男)などがある。

岩井秀人 Hideto Iwai:パウル

俳優、作家、演出家。「大衆の流行やムーブメントを憧れつつ引いて眺める目線」を武器に、家族、引きこもり、集団と個人、個人の自意識の渦、等々についての描写を続けている劇団ハイバイの主宰。ハイバイでは全作品の作・演出を担当し、外部作品への脚本提供、演出なども手がける。また俳優としても東京デスロックなどに出演し、08年に自身の家族をモデルに描いた『て』では自らが母役を演じ、話題となる。09年6月にこまばアゴラ劇場での新作公演を控える。