1946年熊本県生まれ。維新派主宰。
大阪教育大学で美術を専攻。70年日本維新派を経て維新派を結成。74年以降のすべての作品で脚本・演出を手がける。1991年、東京・汐留コンテナヤードでの巨大野外公演『少年街』より、独自のスタイル「ヂャンヂャン☆オペラ」を確立。野外にこだわり、観客とともに旅をする「漂流」シリーズを企画。奈良・室生、岡山の離島・犬島などで公演を行う。00年オーストラリア・アデレードフェスティバル、01年ヨーロッパツアー、05年南米ツアー、09年オセアニアツアーなど海外からの招聘も多数。
99年『水街』大阪府舞台芸術賞
02年『カンカラ』朝日舞台芸術賞
05年『キートン』読売演劇大賞演出家部門優秀賞
08年『呼吸機械』朝日舞台芸術賞アーティスト賞 平成20年度芸術選奨文部科学大臣賞
70年代初頭よりギターを手にして、フォーク、ロック、ジャズを踏破し、80年代にはダンサー、舞踏家などのパフォーマンスアートはもちろん書家・美術家・ライブペインティングなど、時代の革新を追求する様々なアーティストと共演。とりわけ、86年から活動を共にする維新派とは、00年以降豪州、欧州への招聘を受け、絶賛を重ねている。また、ソロ活動はもちろん「グラウンドゼロ」「アルタードステイツ」などでも国際的な活躍の場を得、「ファンタズマゴリア」や「ミュータント」など新たなプロジェクトも好調。
http://homepage.mac.com/innocentrecords/
維新派は1970年に大阪で結成されて以来、主宰の松本雄吉を軸として常に<演劇>という枠では語りきれない活動を続けてきた。
野外に自らの手で建築する劇場、映画のセットのようなリアルなものから抽象的な空間まで造り込む圧倒的な美術、ヂャンヂャン☆オペラと名付けた関西弁のイントネーションを生かした変拍子のリズムを駆使した台詞、オリジナルの音楽というすべての要素をディレクションし、構成・演出をこなすのは松本雄吉。彼によって演劇の総合芸術性を体現する舞台は生み出される。
ヂャンヂャン☆オペラの「ヂャンヂャン」とは、維新派の活動拠点である大阪・天王寺のジャンジャン町に由来する。標準語を使わず大阪弁のイントネーションを生かし、5拍子、7拍子など変拍子を多用したリズムにのって紡がれる台詞は、大阪弁オペラ、シティケチャと呼ばれるように、まさに現代が生んだ新しいオペラといえる。松本雄吉は大阪弁にこだわらず、紀州弁、琉球語など日本の各地の方言から、果てはロシア語、中国語、スペイン語なども取り込み、「維新派弁」と言うべき混成言語を作り上げる。
更地に巨大な架空の街をたちあげる現場には、さまざまなジャンルから人が集まり、上演時はカーニバルの異空間を作り上げる。野外性、架空性にこだわり、公演後は釘一本残さず立ち去るのも彼らの特色だ。
99年 『水街』 大阪南港野外特設劇場 ※大阪舞台芸術賞受賞
※00年オーストラリア・アデレード芸術祭で上演
00年 『流星』 大阪南港野外特設劇場
※01年 ドイツ・イタリア・イギリス(ベルファストフェスティバル)で上演
01年 『さかしま』 奈良県室生村 総合運動公園内県民グラウンド
02年 『カンカラ』 岡山県犬島道精錬所跡地 ※朝日舞台芸術賞受賞
03年 『nocturne』 東京・新国立劇場
04年 『キートン』 大阪南港ふれあい港館広場 ※読売演劇大賞演出家部門優秀賞受賞
05〜06年 『ナツノトビラ』ツアー メキシコ(セルバンティーノフェスティバル)、ブラジル、大阪・梅田芸術劇場メインホール
07〜08年 『nostalgia』ツアー 大阪・大阪城ホール西倉庫内特設劇場 ウルトラマーケット、埼玉・彩の国さいたま芸術劇場、京都・京都芸術劇場 春秋座
08年 『聖・家族』 大阪・精華小劇場 滋賀・栗東芸術文化会館さきら
08年 『呼吸機械』 滋賀・野外特設劇場<びわ湖水上舞台>
09年 『nostalgia』 オーストラリア(パースフェスティバル)、ニュージーランドツアー(オークランドフェスティバル)