2020年をもってフェスティバルの開催を終了したフェスティバル/トーキョー実行委員会は、将来の作り手や観客に向けて過去作品の映像公開やデータベースの作成に取り組んでいます。その一環として舞台芸術のアーカイブに関して創造的な実践を行ってきたアーティストや専門家による連続トークを開催します。コロナ禍の到来を契機に舞台芸術の保存や届け方に関する議論が活発化している今、様々な創作現場の声が聞けるトークとなります。
モデレーターには、演劇やダンスの創作プロセスに深く関わるドラマトゥルクの長島確と中島那奈子を迎え、ゲストと共に舞台芸術のアーカイブの在り方や使い方について語り合います。ゲストには、劇場公演のみならず戯曲の無料公開・映像配信にも精力的に取り組む劇作家・演出家の三浦直之、数多くの舞台芸術・美術を映像に収めてきた須藤崇規、アーカイブ資料のリサーチに基づいたレクチャー・パフォーマンスを制作中のユニ・ホン・シャープ、”アーカイブボックス”を制作した伊藤千枝子と鈴木ユキオ、更には鈴木のアーカイブボックスを受け取り応答パフォーマンスを創作したベルリンの若いアーティストを迎えます。
作品や活動を未来に向けて残す試行錯誤において、彼らが向き合う様々な事柄から、舞台芸術のアーカイブについて改めてクリエイティブに考える連続トークです。
タイトル | オンライン連続トーク「舞台芸術はアーカイブ:消えるものの残し方と活かし方」 |
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日程 |
ライブ配信:2022年3月5日(土) 14:00-19:15<配信は終了しました> |
会場 |
オンライン(Zoomウェビナー) 無料・要予約 ※事前にZoomウェビナーにご登録の上、ご登録確認メールに記載のURLよりご参加ください。ウェビナー登録には、Peatixのチケットお申し込みが必要です。 |
言語 | 日本語 |
登壇者 |
モデレーター: |
タイムテーブル |
14:00-15:00 イントロ 「なぜ残す? なぜ蘇る?」 長島 確・中島那奈子 15:00-15:50 セッション1「上演の記録と、記録の上演」 ゲスト:三浦直之 16:00-16:50 セッション2 「価値をいま決めない」 ゲスト:須藤崇規 17:00-17:50 セッション3 「アーカイブのパフォーマー」 ゲスト:ユニ・ホン・シャープ 18:00-18:50 セッション4 「ダンスアーカイブボックスの旅路」 ゲスト:伊藤千枝子、鈴木ユキオ、レナ・ミヒェリス、マキシー・リープシュナー 18:50-19:15 アウトロ「アーカイブの彼方に」 長島 確・中島那奈子 |
専門はパフォーミングアーツにおけるドラマツルギー。大学院在学中、サミュエル・ベケットの後期散文作品を研究・翻訳するかたわら、字幕オペレーター、上演台本の翻訳者として演劇の現場に関わり始める。その後、日本におけるドラマトゥルクの草分けとして、演劇、ダンス、オペラからアートプロジェクトまでさまざまな集団創作の場に参加。フェスティバル/トーキョーでは2018〜2020年、共同ディレクターの河合千佳と2人体制でディレクターを務める。現在東京芸術祭副総合ディレクター。
老いと踊りの研究と創作を支えるドラマトゥルクとして国内外で活躍。プロジェクトに「イヴォンヌ・レイナーを巡るパフォーマティヴ・エクシビジョン」(京都芸術劇場春秋座2017)、レクチャーパフォーマンス「能からTrio Aへ」(名古屋能楽堂2021)。2019/20年ベルリン自由大学ヴァレスカ・ゲルト記念招聘教授。編著に『老いと踊り』、近年ダンスドラマトゥルギーのサイト(http://www.dancedramaturgy.org)を開設。2017年アメリカドラマトゥルク協会エリオットヘイズ賞特別賞。
ロロ主宰。劇作家。演出家。2009年、主宰としてロロを旗揚げ。「家族」や「恋人」など既存の関係性を問い直し、異質な存在の「ボーイ・ミーツ・ガール=出会い」を描く作品をつくり続けている。古今東西のポップカルチャーを無数に引用しながらつくり出される世界は破天荒ながらもエモーショナルであり、演劇ファンのみならずジャンルを超えて老若男女から支持されている。ドラマ脚本提供、MV監督、ワークショップ講師など演劇の枠にとらわれず幅広く活動。『ハンサムな大悟』で第60回岸田國士戯曲賞最終候補作品ノミネート。2019年脚本を担当したNHKよるドラ『腐女子、うっかりゲイに告(コク)る。』で第16回コンフィデンスアワード・ドラマ賞脚本賞を受賞。
舞台映像デザインや記録映像など、舞台芸術に関わる映像全般を手がける。演出意図を丁寧に汲み取り、映像を通して作品の幅を広げ、観客に新しい鑑賞体験を提供している。パフォーミングアーツの記録映像上映会「ANTIQU」を、ときどき企画・開催。2020年5月からオンラインパフォーマンス「私は劇場」開始。
アーティスト。パリと東京の2拠点で活動。作品は多くの場合、場所の歴史や個人的な記憶の考察から始まり、規範化した属性より構築されたアイデンティティへの疑問から、その複数性と不安定さを探求する。2022年には城崎国際アートセンターにてプロジェクト《ENCORE》を滞在制作予定。また、コレクティブMapped
to the Closest
Addressと協働しHonolulu-Nantes(フランス)でダンス・スコアを制作。ICA京都特別研究員。
https://www.yunihong.net
ダンサー、振付家。1989年珍しいキノコ舞踊団を結成し、2019年解散まですべての作品の振付、演出を行う。解散後の現在は、活動名を伊藤千枝から本名の伊藤千枝子と改め、多方面への振付や自身の出演など精力的に活動を続けている。
TVCM「LOTOシリーズ」(2018~2019)、「BASE偏見派と利用者の抗争」(2021)などの振付を担当。
SNSで「毎日ダンス」を絶賛配信中!
https://www.instagram.com/the_chiekooos
「YUKIO SUZUKI
Projects」代表/振付家・ダンサー。1997年アスベスト館にて舞踏を始め、2000年より自身の創作活動を開始。世界40都市を超える地域で活動を展開し、しなやかで繊細に、且つ空間からはみだすような強靭な身体・ダンスは、多くの観客を魅了している。MV出演やモデル活動、ミュージシャンとの共同制作なども行う。また、子供ダンス作品の振付・演出や、障害のある方へのワークショップなど、身体と感覚を自由に開放し、個性や感性を刺激する表現を生み出す活動を幅広く展開している。
2012年フランス・パリ市立劇場「Danse
Elargie」で10組のファイナリストに選ばれた。
www.suzu3.com
ベルリンに拠点を置くダンサー、作家。クリエイティブ・ライティングとダンス研究の修士課程にて学ぶ。その後舞踏と出会い、踊り方や身体の捉え方が変わり、その詩学、身体講義、創造に魅了される。2020年、ダンスアーカイブボックスと協働し、鈴木ユキオ作品『揮発性身体論「EVANESCERE」』のレスポンス作品を制作し、感動的な衝撃を与えた。現在、ダンスのボキャブラリーと詩学に関する研究を行う。2021年、多言語ダンスプロジェクト「トランスポンダンサー」でSAAIアワード(芸術と社会部門)を受賞。2022年5月、マルタにて公演予定。
バイロイト大学で演劇、メディア、文学を学んだ後、ベルリン自由大学でダンスサイエンスの修士号を取得。また、ストックホルム大学留学中に、振付と風景の構成における生態学的類似性の研究を始める。様々なアートやメディアを通して、パフォーマンス、演劇、ダンス、メディアの背景を持つ多くのアーティストとコラボレーションし、物語を語る最も豊かな方法の発見を目指す。2019年~20年、ダンスアーカイブボックスに参加し、鈴木ユキオ作『揮発性身体論「EVANESCERE」』のレスポンス作品を制作。現在、ベルリン自由大学修士課程。