恒例のF/T Books。今年もジュンク堂書店 池袋本店にて参加アーティストによる選書を取り扱っていただきました。
観劇の前後でアーティストによる選書を手に取り、より深く作品に触れる手助けになればと思います。
※在庫切れなど、店頭で扱いがない場合もございます。
ジュンク堂書店 池袋本店 9F芸術書フロア(エスカレーター前)
10月13日(木)~11月20日(日)
『フェスティバルFUKUSHIMA!@池袋西口公園』
アサノコウタ 櫻井久美 富山明子 中崎透 小池晶子
まちなかパフォーマンスシリーズ『うたの木』
森川弘和 村上 渉 吉田省念
マレビトの会 『福島を上演する』
松田正隆 三宅一平 アイダミツル 山田咲
まちなかパフォーマンスシリーズ ドキュントメント『となり街の知らない踊り子』
山本卓卓
サポーター事業「新しいロビーをデザインする」
伊藤孝仁 冨永美保 阿部太一
『フェスティバルFUKUSHIMA!@池袋西口公園』
考現学入門 (ちくま文庫)
学生時代に考現学の存在を知りました。今和次郎が震災後の東京の町を歩き、スケッチすることから始まった学門。歴史や過去ではなく現在の考察を行うことに感銘を受け、身の回りの風景や人々の行動など些細なものを媒体としても社会と接続できることを知りました。そして僕たちは震災後、プロジェクトFUKUSHIMA!として“いまの福島を”発信しようとしています。自分たちの身の丈に合ったスケールで社会に接続し“いまの福島を”発信していく際に、僕のなかで今和次郎の思想がとても支えになっています。
→購入はこちら
ISBN: 9784480021151/筑摩書房/1000円
クロニクルFUKUSHIMA
震災直後、大友さん達が福島の様子を聞きに来たその場にたまたま居合わせてそのままプロジェクトFKUSHIMA!に関わる事になった私。その直後知り合いの紹介で東京の出版社の仕事が決まるとなんとその出版社でプロジェクトFKUSHIMA!の本を出す事が決まっていた。それがK&Bパブリッシャーズから出版されている「プロジェクトFUKUSHIMA! 2011/3.11-8.15 いま文化に何ができるか」でした。自分の人生ながら「よくできた流れだ」と関心してる暇はまったく無く血を吐く思いでプロジェクト本を作っていたあの頃。時を同じくして出版されたこの「クロニクルFUKUSHIMA」比べられる事も多く勝手にライバル視していたしなんと自分の誕生日に出版され(それは関係ない)本音を言うと、悔しさの中でこの本を読んだことを思い出します。対談集で綴られた本書。3月11日から8月15日までのそれぞれの思いが今読んでも手にとるように思い出せる、大切な記録です。
本当に素晴らしい本です!
あぁ。やっとこんな風に言えるようになったんだな~!
→購入はこちら
ISBN: 978-4791766277/青土社/1600円
やまのかいしゃ
→購入はこちら
ISBN: 9784906268290/架空社/1456円
別冊太陽「青山二郎の眼」
骨董への興味から昭和の目利きとして名高い「青山二郎」に惹かれ、本人の著作や装丁、収集品、逸話などいろいろ漁り、影響を受けました。その辺りがもろもろ詰め込まれたお得な一冊です。
掴めそうで掴めない青山二郎について、とりあえず挙げてみたりすると、すごそうなのに、何者でもないところ。
文化を素で生きているところ。すべてのことは姿に現れて眼でみえると思ってるところ。削り過ぎて、ゆるくて隙があるところ。完璧すぎないものを愛してるところ。その愛おしさは自分以外が気付かなくていいと思ってるところ。などなど、好き勝手にそんな印象を持ってたりします。
人間のかたちが人それぞれ歪(いびつ)なものだとしたら、それに当てはまるかたちも歪だったりするように、人間を人間のままに受け止めようとすると、完璧さとはほど遠い何かであることを受け入れるような、そんな器や人間に対する眼差しがあるように思いました。
プロジェクトFUKUSHIMA!の福島大風呂敷での活動にあたっても、
そうした見方や考え方は地続きで繋がっているんじゃないかなと思ってたりします。
→購入はこちら
ISBN: 9784582920871/平凡社/2233円
ノーザンライツ(新潮文庫)
「幻のアラスカ核実験場化計画」
震災後に希望をもらった本、人々がつながり、動くことで大きなものを変えられると思わせてくれた本です。
1960年代、アラスカに核実験場を作る計画が動き出しその土地の豊かな生態系を守るために研究者、今まで一度も交流のなかったイヌイットのいくつもの部族、町の人々が集い知恵と力を合わせアメリカ政府に直訴し計画を撤回させたという実話です。
→購入はこちら
ISBN: 9784101295220/新潮社/750円
まちなかパフォーマンスシリーズ 『ふくちゃんねる』
ノベライズ・テレビジョン / 文人悪食(新潮文庫) / 池袋交差点24時
発想の切れと文章の鳴りの良さ、それでいてどこかフッと抜けたような軽みとおとぼけ感が滲み出す作品に強く憧れます。三冊に共通する妄想力の強さ・深さ・広さは何度読んでも底が見えません。
ノベライズ・テレビジョン ISBN: 9784309022307/河出書房新社/1200円
→購入はこちら
文人悪食(新潮文庫) ISBN: 9784101419053/新潮社/750円
→購入はこちら
池袋交差点24時 ISBN: 784906700455/Pヴァイン・ブックス / スペースシャワーブックス/1900円
→購入はこちら
まちなかパフォーマンスシリーズ 『うたの木』
私の身体は頭がいい
動きや体のことを見つめていると、生きることのヒントが見つかることがあります。特にコンタクトインプロヴィゼーションというペアになっての練習をしているときには発見が多いです。この本では合気道の観点から身体と意識について、内田氏の明快な文章で解説されています。何度も読み返すうちに、そして自分自身の動きの練習を積み重ねていくうちに、文章をあたまで理解するのではなく体感として腑に落ちる、そんな箇所が多くなってきました。
→購入はこちら
ISBN: 9784167717445/文藝春秋/571円
野性昔ばなし / エンライトメント―ただひとつの変革 / オレンジ・ブック
書を捨てなくてもいいし、町に出なくてもいいけど、自分に会いにゆこう。雨に負けてもいいし、風に負けてもいいから、勝ち負けじゃなくて自分の本音で動こう。僕たちは情報が簡単に手に入って、いろんな事を知って、世界と繋がったけど。自分を知らないし、自分と繋がってない。この本は外から取付られた自我や思い込みをポイポイしてくれます。ぼくはAmazonで買っちゃったけど、みんなはジュンク堂さんで買ってね。
野性昔ばなし ISBN: 9784812499788/竹書房/926円
→購入はこちら
エンライトメント―ただひとつの変革 ISBN: 9784881781807/市民出版社/2800円
→購入はこちら
オレンジ・ブック 和尚の瞑想テクニック ISBN: 9784839700256/ホーリスティック・セラピー研究所(めるくまーる)/1400円
→購入はこちら
盲目の音楽家を捜して
日常生活と音の関わり方みたいなものを考え音楽の旅を続けると、戦前のブルース、カントリー、民族音楽等に行き着き先人達の作品に耳を傾ける。いろんな国、文化、社会、時代背景からもその息吹を感じずにはいられないのですが。盲目という、ある種”音”に対しての感覚が研ぎすまされた状況で作られた作品はやはり特別なものです。心打たれ、パワーをもらう事ができます。音楽界の茶人チチ松村さんが推薦する、95人の素晴らしいミュージシャン達と出会えるサイコーの本です。
→購入はこちら
ISBN: 9784840102650/メディアファクトリー/1500円
奇妙な果実
自分がROCKに出会って、そこからはじまって何一つ後悔なんてないのですが。JAZZを演奏できる人には今でも憧れみたいなものがあって。深夜放送のラジオから聴こえてくるビリー・ホリデーの歌声に心奪われ虜になり、その時ぼくはまだお酒の味なんか知らず。でも近所の喫茶店でこの本に出会って500円のモーニングと珈琲のおかわりだけで一気に読んでしまいました。
JAZZは人間の音楽であり人生であると学んだ本です。
→購入はこちら
ISBN: 9784794912565/晶文社/1900円
ビートルズ全歌詩集
中学生の時に手に入れてから、未だにずっと持っている本。単行本なのでいつもギターとセットで持ち歩いては、友達の家に遊びにいったりした。蛍光ペンで、演奏できるようになった曲目に線を引いたりなんかして。
何とも甘酸っぱい!凄く私事なんですが、青春デンデケデケ本です。
→購入はこちら
ISBN: 440161318X/シンコー・ミュージック/630円
マレビトの会 『福島を上演する』
空間のために 遍在化するスラム的世界のなかで
富裕(ショッピングモール)と貧困(スラム)で二極化する荒廃空間が都市に遍在している。現代の創造行為とは、そのような無機質なカオス空間にどのような境界線を引き続けるか、を実験・試行することである。
→購入はこちら
ISBN: 9784753102884/以文社/2200円
千のプラトー 資本主義と分裂症(中)(河出文庫)
とくにリトルネロの章。鳥は歌で空間を領土化する。そのようにして線を引きカオスから距離を持つこと。社会が押し付けて来る制度としての拍子ではなく、差異の繰り返しで生まれるリズムが空間を未来への動く地図にする。鳥の身振りこそが私たちの演劇の手本である。
→購入はこちら
ISBN: 9784309463438/河出書房新社/1200円
ペンフレンド
誰もが忘れられない、あの時のどきどきを持っているのではないか。幼い頃の胸の高鳴りは、いつまでも鳴り続けているような気がする。緊張の思い出は、少しの後悔を伴って、いつも今のことのように瑞々しく蘇るのだ。ペンフレンドには、私とはまた別の世界の、あの時のことがたくさん書かれている。
→購入はこちら
ISBN: 9784924684645/童話社/1300円
デッサン・ド・モード〜女と男の新しい形を描く〜新装版
ある肉体がそこにあるということを置いて他に、表現できるものはない。シナリオを作る際、自分が何を考えているのかを改めて思い出そうとすると、けっきょくそこに立ち戻ります。ある肉体がいかに・なぜそこにあり、どう延びる又は消えるのかがすべてで、ちょっと日和ってそれ以上のことをしようとする自分を見つけたら、その場で叱咤します。手元にあるデッサンの本がこれ一冊しかなかったのでこれを選びましたが、デッサンの本ならなんでもいいです、肉体がそこにあるということを見つめるきっかけになるのであれば。
→購入はこちら
ISBN: 9784568504880/美術出版社/2500円
ワンパンマン・リメイク版 01
たまに、すでに表現された肉体をまじまじと見つめたいとき、その手の描写の上手い漫画を読むと背筋が伸びる思いがします。物語の中に生きる肉体を正確に描くというのはあんがい難しい。黒田硫黄の『セクシーボイスアンドロボ』と迷ったのですが、動きまわる肉体をここまで精密に表現できるのか! という驚きを知ってほしいと思い、こちらを選んでみました。速度の緩急だけでなく、重みの表現にも注目してほしいです。
→購入はこちら
ISBN: 9784088707013/集英社/400円
るきさん(ちくま文庫)
いかに生きるべきか。この世界を受け取りつつも。自由に。しかしときには他者に伝えがたい内面を抱えた一個の者として。ユニークに。他との関係を保ちつつ。「いま」を受け入れる耐え難さを。軽々と放り投げる。透明な。四角いフレームたちに。乾杯。
→購入はこちら
ISBN: 9784480032119/筑摩書房/580円
まちなかパフォーマンスシリーズ
ドキュントメント『となり街の知らない踊り子』
音と言葉(新潮文庫)
ー芸術家はたえず新しく押しせまってくる課題,個々の場合を克服しようという課題から,自分を遠ざけようとするいっさいを,ペストのように回避しなければなりません。(本文より)ー 性格的に一癖も二癖もあるベートヴェンもワーグナーも,そしてフルトヴェングラーも,ただ純真に,自分を遠ざけようする一切とやりあっていたのではないかと思えてきます。そしてそれはいつの世でもたいへんに困難なことだと思います。
→購入はこちら
ISBN: 9784102024010/新潮社/520円
文体練習
レーモン・クノーは『地下鉄のザジ』の著者として知られていますが、この『文体練習』もかなり面白いです。ユーモラスでいてアヴァンギャルドであり、不穏であり爽快であるという、ある意味で文学的な黄金比で成立している気がします。同じストーリーを99通りの文体によって書き分けるというこの小説は、一人のダンサーの身体で複数の人間を演じる「となり街〜」のコンセプトにも通じる気がします。
→購入はこちら
ISBN: 784255960296/朝日出版社/3399円
砂の女(新潮文庫)
この本とは中学生の頃出会ったのですが、いたく感銘を受けて落涙すらしたのを覚えています。というのも当時は古い音楽を聴くのが好きで、例えば尾崎豊の言わんとしているところの『自由』という概念にはじめて触れて、けれども田舎育ちの自分にその都会的概念はさっぱり琴線に触れず、自分は『自由』を求めるには及ばないつまらない人間なのではないかと真剣に悩んでいたところにこの本と出会ったからです。僕の知る『自由』はこの本の中にあったわけです。
→購入はこちら
ISBN: 9784101121154/新潮社/520円
サポーター事業「新しいロビーをデザインする」
社会学入門 人間と社会の未来(岩波新書)
社会学と聞くと、統計のようなデータが駆使された無味乾燥なものを思い浮かべがちだが、見田宗介によって書かれたこの入門書は、人の営み、個人の物語への深いまなざしがある。様々な当たり前を覆していきながら、他者と交流せずに生きることはできない社会の中での、人の自由について考える。
→購入はこちら
ISBN: 4004310091/岩波書店/820円
人間の居る場所
自分の所属している家や会社以外に、自分の居場所と言える場所はどれくらいあるだろうか。良く行く本屋かもしれないし、静かなカフェや公園、駅前の広場かもしれない。人によってばらばらだろうが、ここでまた疑問が浮かぶ。何故その場所を居場所と思ったのだろうか、その場所に何を求めているのだろうか。この本は、都市や住宅地のあり方、消費や労働のあり方といった大きなテーマから、その疑問に迫るものだ。
→購入はこちら
ISBN: 9784880593937/而立書房/2000円
海から見た歴史―ブローデル『地中海』を読む
人は都市空間を移動し、さまざまな経験をする。劇場のロビーで待ち合わせをしていたあの人も、街の喧噪に消えていく。ロビーという空間は動かないとしても、影響は人の中に蓄積して、その外にもずるずると続くはず。この本は、国の歴史のような陸地的歴史観に対して、輪郭のはっきりしない関係の束である「海」から見た歴史観を提示する。デザインの対象自体だけでなく、その外側や関係性に目をむける大切さに気づかされる。
→購入はこちら
ISBN: 489434033X/藤原書店/2800円
旅の絵本
40年ほどまえに描かれた、旅についての絵本です。
道中に旅人がすれ違っていくさまざまな町では、日々いろいろな出来事が起きていて、童話の世界や産業の一部、絵画の風景、文化についてまで、たくさんの世界の片鱗がこっそりと描かれています。
世界は、それぞれの原理で並行して存在していて、その一部は垣間見えたり見えなかったり、分かりやすかったり分からなかったりします。
私たちが知覚している世界は、実はこういうふうに、日常生活の節々で出会うものすべてが単に「たまたまここで」交差している現れなのではと、考えさせられる作品です。
→購入はこちら
ISBN: 9784834005394/福音館書店/1400円
集落の教え
世界中の集落のありかたが描かれた写真集のような本です。
集落は、「人間たちが集まって暮らすことをテーマ」にした集合体で、とにかく長い時間をかけて、あらゆる主体により、複数の原理からつくられています。そのなかに織りなされている、さまざまな「人間の集まりかた」を考えるとき、私たちは環境から何を教育されて、何を愛し、何と戦っているのかが明らかになると、気付かせてくれた一冊です。
→購入はこちら
ISBN: 9784395005642/彰国社/2500円
断片的なものの社会学
この本を読んでいると、誰かの日記の一部をこっそりと覗き見ているような気持ちになります。
生々しくもとりとめのない、たわいもない話をよせあつめた時にこそ見える「社会」のようなものは、もしかしたら歴史からはとりこぼされてしまうかもしれません。しかしそこには人間がいて、関係性があり、環境があり、社会が確かにあります。まぼろしのように消えてしまうような弱くも強い現実を、確かに存在する世界の一部として捉えてみると、なんだか世の中の寂しいものや汚いものや怖いものをも、愛おしく感じながら生きていて良いのだというふうに思う気持ちになれました。
→購入はこちら
ISBN: 9784255008516/朝日出版社/1560円
場所の現象学(ちくま学芸文庫)
「場所」を言語化しようとする行為はあらかじめ負けが決まっている試合に臨むようなものだ。なぜなら「場所」には地理、政治、文化、風土、歴史、経済、記憶、自然、空間、経験、等など思いつく限りの複雑な要素が入り交じり、更にややこしいのは、それはごく主観的なものであると同時に、誰もが共有できる間主観的なものでもあるからだ。本書はそんな複雑極まりない「場所」を、歴史や生活に根ざした「場所(Place)」と歴史や生活にから断絶された「没場所(Placelessness)」の大きく二つの概念で分け、切り込んでいく。勿論取りこぼすところも少なくない。ただ、本書を読み終え、顔を上げれば、平坦だった風景から新たな意味の地形が立ち上がってくるのが見えてくる。
視点を内面化する分、ARより刺激的だ。
→購入はこちら
ISBN: 9784480084798/筑摩書房/1200円
デザイン学 (思索のコンステレーション)
ヴァルター・グロピウスが設計したバウハウスのデッサウ校舎の講堂には、間仕切り用のカーテンを開けると舞台が隠れている。そして、その舞台を中心として食堂、グラウンド、アトリエ、教室、学生寮など日常の空間が広がっていく。著者はこの空間デザインを「舞台を中心とした祝祭空間が、活動と休息、昼と夜、動と静を媒介している」と表現する。この事は、非日常は日常の外にあるのではなく、むしろ、日常の中心にこそあるという事を教えてくれる。そして、それを一見合理主義的なモダンデザインを生み出したバウハウスが体現していたということは、今日のデザインと舞台の関係を考える上で、とても興味深い。
日常の地中深くに流れているデザインの水脈を感じさせてくれる本。
→購入はこちら
ISBN: 9784901631907/武蔵野美術大学出版局/3000円
遡行
演劇はもちろんフィクションなんだけれども、では現実はノンフィクションなのだろうか?筆者は「現実とは『本当の事』ではない。それは現時点においてはさしあたって最有力なフィクションである、というにすぎない」と言う。これは一見、プラトンの「洞窟の比喩」的な、目の前で起きていることを無根拠に信じ込む人間への戒めのように聞こえるかもしれないが、どうやらそういうものでもないらしい。筆者は現実のフィクションに別の強力なフィクションを差し込む事によって、起こりうるかもしれない「潜在的な現実」の可能性を示そうとする。そして、それをやるには演劇がうってつけだと。
現在も変形しながら進行しているこの試みは、一つの希望と言ってもいいだろう。
→購入はこちら
ISBN: 9784309273143/河出書房新社/1900円
サポーター事業「かんげきワークショップ部」
ダイアローグ~対立から共生へ、議論から対話へ
昨今、「対話」や「対話をすること」の重要性がよく叫ばれるようになりました。その本質を探究するために必携の本です。あるいは、対話の場をつくる人、ワークショップをする人、多様な人が集まる場を主催する人、ファシリテーション等の対人関係スキルを必要とする専門家にとっても、この本は重要な示唆を与えてくれるでしょう。対話とは何なのか、なぜそれが必要とされているのか、そして対話をすることで自分や他者、グループ、組織、社会にどんな変化が起こるのか。それらを感じ取るために、手に取りページを繰ってください。
→購入はこちら
ISBN: 9784862760173/英治出版/1600円
我と汝
対話は、1人ではできません。「他者」の存在が不可欠です。しかし、自分ではない他者がそこに在ったとしても、それをモノのような存在として関係してしまえば、やはりそこに対話は成立しないのです。1970年代後半、宗教学者のマルティン・ブーバーは既にそのことを見抜いていました。この本は、対話の原点である「私とあなた(我と汝)」に関する考察本であり、「私」や「あなた」が世界にどうやって存在しているかに関する啓発本であり、対話の場づくりをする人にとって最も重要なバイブルの1つです。
→購入はこちら
ISBN: 9784622078548/みすず書房/3200円
ワールド・カフェ~カフェ的会話が未来を創る
「ワールド・カフェ」という話し合いの方法が、日本でもずいぶん取り入れられるようになりました。しかし一方で、それを「席替えをする話し合いである」「意見を全体にシェアするための技術である」と理解する人も増えている気がしています。それは極めて浅い理解です。「ワールド・カフェ」は話し合いの方法であるとともに、前提にしている世界観があります。それは、私たちが言葉を交わし合うための1つの作法であり、文化です。提唱者の原著に戻って、本質を捉えましょう。直訳風でやや読みにくいですが、オススメです。
→購入はこちら
ISBN: 9784990329839/ヒュマンバリュー/2800円