フェスティバル/トーキョー トーキョー発、舞台芸術の祭典
F/T09では『転校生』『4.48サイコシス』を演出し、日本演劇史に鮮烈かつ不動の1ページを書き加えた飴屋法水。演劇、美術、音響、動物店の経営など、さまざまなフィールドを越境しながら、一貫して「生命」や「身体」を見つめ続けてきた彼が、ついに戯曲も舞台も俳優もない、脱・演劇的装置の作成に取り組む。
今回飴屋が着目したのは「不動産」。かつて誰かがそこに存在し生を営んでいた空間、しかし今は誰も存在しない場所。にしすがも創造舎を基点に、観客はたったひとりで4箇所の「不動産」を訪れ、そこに息づく事物や生物、物質、言葉と対峙する。複数の生や時間が交錯する場所/非場所で、見る者はどんな「わたしのすがた」を見出すのだろうか?