フェスティバル/トーキョー トーキョー発、舞台芸術の祭典
この度、東京からの文化発信を目指す東京都および公益財団法人東京都歴史文化財団、芸術文化によるまちづくりを推進する豊島区および公益財団法人としま未来文化財団、そして特定非営利活動法人アートネットワーク・ジャパンは、第5回フェスティバル/トーキョー(F/T12)を開催いたします。過去4回の開催では、通算22万人を超える観客が世界中から集い、東京、日本を代表する演劇祭として大きな注目を集めて参りました。前回F/T11においては、震災後「私たちは何を語ることができるのか?」というテーマのもと、芸術の力によって断絶した現実を繋ぎ直し、あらたな未来を構想するための作品やプロジェクトの数々が果敢に上演され、世界中から好評を頂きました。続く第5回でも、震災後のあらたなビジョンを模索しつつ、アジアを代表する芸術祭の一つとして世界の芸術潮流に影響を与えるべく、さらなる挑戦に臨みます。
今回の開催では、昨年に引き続き、震災以後、芸術や演劇によってこの現実をどう語るか、どう掴み直すかという根本的な問いかけを継続します。過酷な現実を忘却するのではなく、記憶し、語り、被災地の復興と未来の創造への糧とすること。そして震災後により明らかになった社会の諸問題から目をそらすことなく、それらを批評的に捉える勇気ある表現に目を向け、その声に耳を澄ますこと。戦後かつてない危機に直面した今こそ、日本の外部との対話の回路を強く太くもつこと。F/T12ではそのような信念のもと、世界の最先端の演劇作品と震災後の日本から生まれる独自の表現が出会う場として、さらなる努力を続けて参ります。
また、今回で3回目を迎えるF/T公募プログラムもさらなる発展を遂げます。アジアにおける若手の登竜門として認知された本プログラムから生まれた作品を世界に広く問いかけるとともに、アジアにおける舞台芸術の創造と対話のプラットフォームとして、よりその求心力を高めていく所存です。
さらに今回の開催では、2012年9月にリニューアル・オープンする東京芸術劇場のあらたな魅力を、多彩な関連プログラムによって発信いたします。劇場内のさまざまなスペースを活用し、劇場全体がフェスティバル・センターとして有機的に機能するほか、池袋西口公園でもイベント開催を企画しており、地域全体の祝祭感を盛り上げます。
私たちはこのフェスティバルの開催を通じて、震災復興の糧となるあらたな想像力を生み出し、国際都市トーキョーから再び世界へと、東京ならではの創造性を発信してまいります。
東京文化発信プロジェクトは、「世界的な文化創造都市・東京」の実現に向けて、東京都と東京都歴史文化財団が芸術文化団体やアートNPO等と協力して実施しているプロジェクトです。都内各地での文化創造拠点の形成や子供・青少年への創造体験の機会の提供により、多くの人々が新たな文化の創造に主体的に関わる環境を整えるとともに、国際フェスティバルの開催等を通じて、新たな東京文化を創造し、世界に向けて発信していきます。