F/T10で新設された、「F/Tシンポジウム&F/Tテアトロテーク」の詳細が、ついに解禁!
このテアトロ編では、「F/Tテアトロテーク」の豪華な上映作品やトーク情報をご紹介します!
「F/Tテアトロテーク」
現在の演劇を考える上で重要な歴史的作品の上演映像や貴重なドキュメンタリーを上映。
上映予定作品 計9本
A 家族会議 / クリストフ・マルターラー / サラ・デレンディンガー
スイス / 2009 / カラー / 60分 / ドイツ語、日本語字幕
R・シュトラウス、アインシュタインやシャガール等の文化人が滞在したグランド・ホテル。2008年、ホテル開業100周年のお祝いにマルターラーが作品を捧げる。サロン、体育館、ロビー...ホテル中が舞台と化し、文学や音楽の引用を通しかつての宿泊客が蘇る。初日までの6週間を追い、マルターラーの創造に迫るドキュメンタリー。09年ニヨン国際映画祭ジョージ財団新人賞受賞。
11/4(木)17:30
11/7(日)17:00
B そのヨーロッパ人をやっつけろ! / クリストフ・マルターラー
ドイツ / 1993 / カラー / 120分 / ドイツ語、日本語字幕
1993年に初演され2006年までフォルクスビューネのレパートリーとして上演され続けたマルターラーの伝説的傑作。正式タイトルは『そのヨーロッパ人をやっつけろ!やっつけろ!やっつけろ!やっつけろ!やっつけろ!クリストフ・マルターラーの愛国的な夕べ』。挑発的なタイトルとは裏腹に、時が止まってしまった社会主義時代の東ドイツの終焉を緩やかに奏でる演劇的レクイエム。
☆解説:新野守広(演劇評論家)
11/4(木)19:00
11/7(日)13:30☆
C 私の紅衛兵時代 / ウー・ウェングアン(呉 文光)
中国 / 1993 / カラー / 134分 / 中国語、日本語字幕
F/T10上演作品『メモリー』のウー・ウェングアンが監督を手がけ、中国インディペンデント映画の源流とも言われる傑作ドキュメンタリー。文化大革命に青春時代を送り、今はビジネスマンや映画監督として生活する元紅衛兵たちのインタビューを通じて、当時の生々しい体験が蘇る。1993年山形国際ドキュメンタリー映画祭小川紳介賞受賞。
☆解説:秋山珠子(字幕翻訳家)
11/5(金)14:00
11/9(火)18:30☆
D アリアーヌ・ムヌーシュキン:太陽劇団の冒険 / カトリーヌ・ヴィルポー
フランス / 2009 / カラー / 75分 / フランス語、日本語字幕
1964年の結成以来、常に社会と向き合い「演劇にしかできないこと」を芸術・政治両面から探求し続けてきた太陽劇団の最新ドキュメンタリー。若かりし頃のインタビューやそれを振り返る現在の演出家自身の姿、伝説的革命劇『1789』、弾薬庫を改装した本拠地、さらには近作の稽古風景や舞台裏まで、劇団の半世紀のすべてが凝縮された映像からは、演劇を信じる者たちの強い信念と実践が溢れる。
☆解説:佐伯隆幸(演劇評論家)
11/5(金)17:00
11/10(水)19:30☆
E 外国人よ、出ていけ! / クリストフ・シュリンゲンジーフ / ポール・ポエット
ドイツ / 2002 / カラー / 90分 / ドイツ語、日本語字幕
今年49歳で他界するまで、その才能と悪戯で演劇界を振り回し続けた鬼才シュリンゲンジーフ。その生涯の中で最も世間を騒がせた1週間を追ったドキュメンタリー。ウィーン歌劇場前にコンテナハウスを建設、そこに住まわせた12名の移民たちを「観察」し「断罪」する演劇がウィーン中を騒然とさせるが...多数のメディアや市民を巻き込んだ本作は、「演劇」の概念を拡張するものとして永遠に記憶されるだろう。
☆解説:高山明(演出家)
11/6(土)13:30
11/13(土)16:00☆
F 演劇実験室「天井桟敷」ヴィデオ・アンソロジー / 寺山修司
日本 / 1993 / パートカラー / 140分 / 日本語
演劇実験室「天井桟敷」(1967-83年)の全公演とその軌跡をインタビューや舞台写真、当時の映像などで構成したドキュメンタリー。『人力飛行機ソロモン』や『ノック』など都市に介入した市街劇の映像に加え、寺山自身が「演劇は社会科学を挑発し、日常の現実へ疑問符をさしはさんだ」と語るインタビューには、演劇を社会に介入する武器と捉える寺山の姿勢が鮮明に打ち出されている。
☆解説:扇田昭彦(演劇評論家)
11/6(土)15:30☆
11/12(金)14:00
G 浜辺のアインシュタイン / ロバート・ウィルソン / マーク・オーベンハウス
アメリカ / 1986 / カラー / 58分 / 英語、日本語字幕なし
1976年に初演され、舞台芸術の既成概念を大胆に刷新した同名の大作オペラとその制作過程が収められたドキュメンタリー。ミニマル・ミュージックの巨匠フィリップ・グラスの音楽に合わせて進行する舞台は4時間半ノンストップ。台詞も明確な物語もなく、視覚と聴覚に豊かな想像力を喚起する「イメージの演劇」の源流は、いまだに色あせることなく輝き続ける。
☆解説:内野儀(演劇評論家)
11/7(日)19:00☆
11/8(月)18:00
H 土方巽 夏の嵐 / 荒井美三雄
日本 / 2003 / カラー / 71分 / 日本語
暗黒舞踏の創始者、土方巽。1973年に自らの舞踏を封印した土方巽の、映像として残された最後の公演『夏の嵐 燔犧大踏鑑』。同年、京都大学西部 講堂での公演を撮影した映像には、土方自身が踊る少女やハンセン病患者のソロを含む全12景が映し出される。ドイツのノイエタンツの受容から、日本固有の舞踏を確立した土方の原点と偉業を再確認する貴重な記録映画。
☆解説:石井達朗(舞踏評論家)
11/8(月)19:30☆
11/12(金)17:00
I 死の教室 / タデウシュ・カントール
日本 / 1982 / カラー / 75分 / ポーランド語、日本語字幕
「芸術は現実への応答である」と宣言し、前衛演劇の革命を巻き起こしたポーランドの異才タデウシュ・カントール。廃墟のような教室で子ども時代の分身たる人形を持ってやってきた死者たちが繰り広げるシーンの数々は、その後の演劇史・芸術史に絶大な影響を与えた。日本では、1982年の第1回世界演劇祭で来日した。映像で、20世紀の最高傑作がよみがえる。
☆解説:鴻英良(演劇評論家)
11/11(木)19:30☆
11/13(土)14:00