1976年富山県生まれ。庭劇団ペニノ代表・作・演出家であると共に、現役の精神科医でもある。2000年、昭和大学医学部在学中に同大学演劇部メンバーと共に「庭劇団ペニノ」を旗揚げ。
彫刻や絵画も趣味であるタニノは、空間創造に強いこだわりを持ち、細部まで作りこんだ独創的な舞台セットには定評がある。初めて本格的に執筆した脚本『笑顔の砦』(07年)、子役の教育プログラムとして俳優たちが“擬似家族”を演じるという劇中劇の構成をとった『星影のJr.』(08年)と、2年連続で岸田戯曲賞最終候補にノミネート。また、台湾、ドイツの演劇祭へ招聘され、海外公演も行っている。最近では、外部作品で古典戯曲と真正面から向き合う精巧で質の高い演出効果を上げ、劇作家・演出家として近年多彩な実力を発揮している。
代表作に『ダークマスター』(03年初演・06年再演)、『アンダーグラウンド』(06年)、『笑顔の砦』(07年初演)。外部演出作品としては、『野鴨』(07年、主演:石田えり/製作:メジャーリーグ)、『ちっちゃなエイヨルフ』(08年、主演:勝村政信/製作:メジャーリーグ)などがある。
作・演出のタニノクロウを中心に、2000年、昭和大学医学部演劇部を母体として発足。「庭」という一つの抽象的イメージのもと奔放に広がる様々な表現形態を提示する集団として設立。
劇団員は、代表のタニノクロウの他には構成を担当する3名のスタッフのみで、俳優・技術スタッフは所属していない。タニノクロウと構成担当のメンバーで行われる膨大な時間の企画会議の下、作品の骨組みが創られるという独特な創作手法も特徴。
これまでに17回の公演を重ね、大阪・精華演劇祭への参加、台湾・古嶺街小劇場の招きで台湾公演も行っている。また今秋には、ベルリン・HAU(ヘッベル)劇場の招聘も決定している。