プロフィール

ロメオ・カステルッチ | ソチエタス・ラファエロ・サンチオ主宰・演出家

1960年チェゼーナ出身。ボローニャの美術学校で美術とセノグラフィを学んだ後にカンパニーを結成。90年代の、歴史と悲劇を主題とした作品群(『ハムレット』92年、『オレステア』95年、『ジュリオ・チェザーレ』97年、『創世記』99年)によって、その名を国際的に知られるようになり、高い評価が確立した。01年から04年にかけてなされた『トラジェディア・エンドゴニディア』シリーズでは、ヨーロッパの10都市(チェゼーナ、アヴィニョン、ベルリン、ブリュッセル、ベルゲン、パリ、ローマ、ストラスブール、ロンドン、マルセイユ、最後に再びチェゼーナ)において、著名な劇場やフェステイヴァルとの共同制作によって11のエピソードを上演した。 アヴィニョン演劇祭ではかねてから常連であったが、08年にはアソシエート・アーティストとして、ダンテの『神曲』に着想を得た三部作(『地獄篇』、『煉獄篇』、『天国篇』)を一挙に発表するとともに大きな成功を収め、その才能に揺るぎがないことをあらためて見せつけることとなった。

主要な上演作品 および 受賞歴

92 『ハムレット』
94 『ブケッティーノ』
95 『オレステイア』 モントリーオル・アメリカ演劇祭 最優秀国際作品賞(97)
97 『ジュリオ・チェザーレ』 ユビュ賞・年間ベストパフォーマンス賞(97)
99 『創世記』 プレミオ・ヨーロッパ「新しい演劇のリアリティ」賞(00)
99 『夜の果てへの旅』 ダブリン演劇祭最優秀国際作品賞(00)
00 『イル・コンバッティメント』
01-4 『トラジェディア・エンドゴニディア』 ユビュ賞・特別賞(04)
06 『ヘイ・ガール!』
08 ダンテ神曲3部作 『地獄篇』, 『煉獄篇』, 『天国篇』

カンパニー・プロフィール
ソチエタス・ラファエロ・サンツィオ

81年に、ロメオ・カステルッチ(演出)、クラウディア・カステルッチ(作家、姉)、キアラ・グイディ(ドラマトゥルク)によって、彼らの生まれ故郷、イタリアのエミリア・ロマーニャ地方にある都市チェゼーナで結成された(ラファエロ・サンツィオはダ・ヴィンチやミケランジェロと並んでイタリア・ルネサンス期を代表する画家で「聖母の画家」との異名をとったラファエッロのことである)。その舞台の特徴は、絵画的な額縁舞台を生かして提示される造形性、人を不安にさせずには置かないほどのその完成度、そこに凝縮して込められた隠喩的あるいは寓意的な意味、さらにスコット・ギボンスによるこれまた独特の音響世界にある。06年に制作された『Hey Girl!』以降、クラウディア・カステルッチやキアラ・グイディはそれぞれ独自の道を歩み始め、ロメオ・カステルッチが単独で作品創作を手がけるようになった。キアラ・グイディはスコット・ギボンスとのコラボレーションを続けながら、声の専門的なクラスを開いている。神奈川芸術文化財団にて日本語版の『ブッケティーノ』の再演の演出もした。クラウディア・カステルッチは「ストア」というリズムとムーヴメントの学校に注力している。