Research Programs
次世代のアーティスト育成を目的とした、鍛錬の場
アーティスト・ピットとは?
このプログラムは、アーティストが創作に必要な言語と技術を自覚的に獲得し、相互批評を通して作品の精度を高めていくための鍛錬の場となることを目指しています。
昨今、アートプロジェクト等の普及によって、参加や表現のハードルが下がっています。F/Tは、その傾向自体はアートの解放として大いに歓迎すべきことであり、ますます押し進めるべきだと考えていますが、一方で、プロフェッショナルなアーティストの技術の熟達・思考の深化もいっそう重要になっていると信じています。
“アーティスト・ピット“は、自動車レースのピットインのように、アーティストが必要な補給や整備・修理を行う場であると同時に、キャリアの途中で陥る必要のある深い穴でもあり、「自らの力で這い上がる鍛錬の場」と、「作品を磨くための準備の場」としてこのプログラムが機能していくとことを願って名付けました。
今回のテーマ:「コンセプトとリサーチ」
今年はファシリテーターにハラサオリを迎え、創作プロセスに必要な方法論(コンセプトの立て方やリサーチの方法)を考え、精査し、それを他者と共有する場を設けます。
全5回のうち第1回~第4回を通して、プレゼンの時間と他の参加者からのフィードバックに時間を設け、一人一人の作品について丁寧に議論を重ねていきます。最終回では、オーディエンスを迎えた中で、改めてプレゼンとフィードバックの時間を設けます。
自分だけでなく他者の作品に対して責任と客観性を持って言語化し、磨き上げる時間を目指します。
現状に危機感をもち、自ら穴に飛び込む覚悟のある創り手からのご応募をお待ちしております。
アーティスト・ピットにファシリテーターとして参加いたしますハラサオリです。
現在、国内のパフォーマンスや身体表現のシーンにおいては、それらを専門的に扱う研究室や、日本語で読める資料が他の分野と比べて圧倒的に少ないという状況があります。このまるで荒野のような環境で制作を続けるということは、とても孤独なことです。しかし、そこで作家や作品の味方になるのは「言葉」だと思っています。それは、矛であり、盾であり、ときには私たちを遠くまで運ぶ舟になります。
今回のプログラムは、私自身がかつては学生として、現在は作家として、ずっと切望してきた機会です。私を含めた参加者が、独立した作家同士として「言語化・相互批評」の訓練のために集えることを楽しみにしています。
2012年よりベルリンを拠点として作家活動を開始、以来「アフォーダンス」をテーマとして、サイトスペシフィックな空間における即物的身体の在り方を探求している。近年ではダンサーであった実父との生別/死別を扱ったドキュメンタリー作品「Da Dad Dada(ダダッドダダ)」を日本とドイツの二カ国で発表。またその静物的佇まいと動物的躍動感を兼ね備えた身体を活かし、ライブ、MV、TV番組などへも多数出演。2017年度ポーラ美術振興財団派遣海外研修員。東京芸術大学デザイン科、ベルリン芸術大学舞踊科修了。
一九七二年生。多くのバンドやセッション、舞台芸術の作品に参加。最新のソロアルバムは「Jazz Alternative」(Blacksmoker)。著書に「貧しい音楽」(月曜社)「憂鬱と官能を教えた学校」(河出書房新社・菊地成孔との共著)「平岡正明論」(P-VINE)「平成日本の音楽の教科書」(新曜社)など。山縣太一主宰のカンパニー、オフィスマウンテンでは俳優も務める。
身体間の即興の関係性と演劇的な振る舞い、その拡張としての空間に関心を寄せる添田朱音と、空間を構成する諸要素を知覚する身体を重視し、光や距離、物の形と人の認識の関係を探る奥泉理佐子による、美術制作のプラットホーム。主な作品に「attempt vol.5」(群馬青年ビエンナーレ2019/群馬県立近代美術館/2019)。
アメリカ デトロイト出身。京都府立大学にて建築設計を学び、東京藝術大学大学院先端芸術表現専攻修士課程を卒業。現在同大学教育研究助手。主な展示に、觀念集 (中国上海市/Mao Space/2017)、ATLAS展 (茨城/東京藝術大学/2014)など。
1994 年東京生まれ。専門は、建築設計・制作。東京藝術大学院建築専攻修士課程を卒業後、合同会社sunayama studioアシスタント。主な作品に「dégager’」(2017)、大岩雄典個展「slowactor」(2019) 会場構成。
1990 年東京生まれ。2008年 ハワイ州立大学付属カピオラニコミュニティーカレッジに入学。2010年に渡英。2014年ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズ学位課程卒業後、日本人として初めてロイヤル・カレッジ・オブ・アート、パフォーマンス科に入学、2016 年修士号終了。卒業後ロンドンやヨーロッパ、アジアを中心に美術展、舞台、パフォーマンスフェスティバル、ワークショップ、映像作品などに多数参加。
photo:blanClass
1988年生まれ。東京都在住。イメージと人類の関係を表現し、分断のない世界をつくる。その過程で独自のインプロヴィゼーションを構築し、パフォーマンスを中心に発表している。2018年より「たくみちゃん杯」を主催。
http://takumihashimoto.info/
いるということへの関心を出発点に、自分1人での上演を行っています。武蔵野美術大学 映像学科 卒業。美学校 実作講座「演劇 似て非なるもの」第4期修了。ソロ公演に「正午に透きとおる」(2019.2)、「象を撫でる」(2018.5)など。
https://www.takemototakuya.com/
1987年福岡県生まれ。ニカサン主宰。 写真家・舞台作家。2010年より写真作品・パフォーマンス作品・現代美術作品の発表を開始。2017年に演劇を行うカンパニーであるニカサンを結成。 「 恐怖の予感を視覚化する」こ とをテーマに作家活動を行っており、物語・写真行為・演劇を横断的に試行/思考しながら制作している。
日程 |
第1回 11/18(Mon)11:00~18:00 第2回 11/19(Tue) 11:00~18:00 第3回 11/25(Mon)11:00~18:00 第4回 11/26(Tue) 11:00~18:00 第5回 11/29(Fri) 13:00~17:00 |
---|---|
会場 |
くすのき荘(東京都豊島区上池袋4-20-1) |
参加費 | 無料 |
※ | 本プログラムは、全日程クローズドでの開催となります。なお、一般公開の形態としましては、ドキュメントの作成を予定しております。 |
(文:住吉智恵)フェスティバル/トーキョー19では、初の試みである研究開発プログラム「アーティスト・ピット」が開催される。...
活動の様子をまとめた冊子を作成いたしました。
19年度のドキュメントはこちら(PDF)
アーティスト・ピット ドキュメント
対象 | ・リサーチ方法や創作プロセスの方法論を考え、それを他者へ伝えることや共有することを自覚的に行っていくことに関心がある人 ・自分の作品や人の作品に対して、客観性を持って、言語化することに関心が強い人 |
---|---|
会場 |
くすのき荘(東京都豊島区上池袋4-20-1) |
応募締切 |
9/8(Sun)23:59 |
選考 |
【書類選考結果通知】 9/10(Tue) 9/15(Sun)~9/17(Tue) 9/27(Fri) |
応募条件 |
・原則、全5回のプログラムすべてに参加できること |
必要項目 |
・氏名もしくはアーティスト名 |
必須書類 |
A. アーティスト写真 |
下記応募フォームより、必要事項の記入と必須書類を添付の上、ご応募ください
募集は締切ました。