ある革命家の死の後にも更新され続けるFacebook、次々と届くSMS......。無人のコミュニケーションが浮き彫りにするアラブの現在
映画監督と検閲官のやりとりと、大規模デモの日の出来事を描いた映画のスチールを交錯させ、そこから抜け落ちた現実や希望、痛みを描き出した『フォト・ロマンス』(F/T09秋)など、レバノンの歴史と複雑な現状に取り組み続ける、リナ・サーネーとラビア・ムルエ。中東を代表するアーティストでもある彼らが、「アラブの春」と呼ばれる時代のうねりの中で、大胆に「個人」とその「生」を切り取った近作を上演する。
舞台は自殺した革命家・アーティストの部屋。ログインしたままのFacebookの画面は更新を続け、携帯電話には次々とSMSが届く。彼の死は誰のものか? そのメッセージは誰に向けられているのか? 部屋の主人はもちろん、送り手の肉体も不在なまま続けられるコミュニケーションの応酬に、着地点のないアラブの「いま」が、さまざまに浮かび上がる。
- リナ・サーネー
- 1966年、レバノン出身。アシュカル・アルワン・レバノン現代芸術協会ワークスペースのカリキュラム委員。2008-13年、国立ジュネーヴ・デザイン大学教授。2009―10年、ベルリン自由大学、国立リサ...
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- ラビア・ムルエ
- 1967年、レバノン出身、ベイルート在住。俳優、演出家、脚本家、またレバノンの季刊誌『Kalamon』 や『TDR:The Drama Review』(ニューヨーク)の編集者として活動している。ベイルート・アート・センター協会の設立者であり、理事を務める。映像など...
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リコメンド
『33rpmと数秒間』――タイトルを見て難しそうな作品ではないかと敬遠したくなる気分は分からなくはない。だが、一度本作を見始めたなら、あっというまにその世界に誰でも惹きこまれてしまうはずだ。たとえ生身の俳優が一人も登場しなくても「演劇」は成立する?――その通りだが、それではあまりに評価として消極的すぎる。むしろこう言ってみたい。人々はそこに「演劇」がまさに目の前で思考し、かつ進化しつつある姿を目の当たりにするのだ、と。そして〈進化〉するその姿の向こう側に、レバノンの〈現実〉の手触りばかりでなく、グローバル時代を生きる私たち自身の自画像をも発見するだろう。
チケット購入
一般前売開始:2013年10月5日(土)10:00より
料金:自由席(整理番号付)
一般前売 2,500円(当日 +500円)
ラビア・ムルエセット券 4,000円
学生 2,500円、U18(18歳以下)1,000円(前売・当日共通、当日受付にて要学生証提示)
お取扱い:F/Tチケットセンター(電話/Web)、東京芸術劇場ボックスオフィス、チケットぴあ[Pコード:431-134] 、
カンフェティチケットセンター、PassMarket
◎3演目セット割、海外演目スペシャルパス、学生パス、F/Tパス、ペアチケット対象。
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