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Port B『Referendum - 国民投票プロジェクト』『光のないⅡ』ウィーン芸術週間に参加中!

F/T11にて発表された『Referendum - 国民投票プロジェクト』、その翌年のF/T12での『光のないⅡ』という、PortB:高山明が3.11を受けて発表した2作が、ヨーロッパ屈指の国際舞台芸術祭「ウィーン芸術週間」にて5/10より上演されています。

今回Port B/高山明が参加するプロジェクト(展覧会)「Unrest of Form - imagining the political subject」は、ウィーン芸術週間、セッション、ウィーン芸術アカデミー、ミュージアムクォーターの共同企画。この展覧会は「PARCOURS」というコンセプトをもとにキュレーションされたグループ展であり、ラビア・ムルエ、ティム・エッチェル、ティノ・セーガルなど、舞台芸術と美術を横断する世界的アーティスト達の作品群がウィーンの都市空間の中に展開されます。

今回Port Bは会期中の約1か月(5/10~6/16)にわたり、以下4つのプロジェクトを実施。特別企画として、国民投票によって廃炉になったツベンデンドルフ原発を訪れるツアー・トークも!多角的なアプローチで、Port Bの作品をウィーンと都市空間にインストールします。

主催:ウィーン芸術週間 助成:国際交流基金

■「Referendum - 国民投票プロジェクト」ビデオ・インスタレーション
2011年3月11日の東日本大震災とその後の原発事故に応答したプロジェクト。日本でまだ一度も実現されたことのない「国民投票」という概念を読みかえ、可能性の演劇として提示する試みである。
現在も継続中の本プロジェクトは、2014年に広島・長崎ツアーを決行予定。インタビューの総数はすでに800を超え、ウィーンでは、福島の中学生268人へのインタビュー映像から16人分をセレクトし展示する。レクチャーでは高山明が今後の展開を含めたプロジェクトの全体像を紹介する。

会場: Akademie der Bildenden Künste
会期: 2013年5月11日(土)~6月16日(日)10時~18時 *月曜定休
言語: 日本語/英語字幕つき

F/T11『Referendum - 国民投票プロジェクト』プログラムページはこちら


■「Referendum -国民投票プロジェクト」演出家によるレクチャー
日時:2013年5月14日(火)20時~
会場: Freiraum quartier 21 at MuseumsQuartier
言語:ドイツ語


■「福島--エピローグ?(光のないII)」ツアー
フェスティバル/トーキョー12で話題を呼んだ『光のないII』のウィーン・バージョン。観客は地図を片手に、エルフリーデ・イェリネク作の戯曲の音声を聞きながら、ウィーンの町に仕掛けられた複数の福島を体感する。

日時:2013年5月15日(土)~6月15日(土)の間、毎週水~土 13時~18時 (最終出発時間は16時)
出発場所:セセッション
言語:日本語/ドイツ語


■ツベンデンドルフ原発ツアー
ウィーン近郊、ドナウ川河岸にそびえるツベンデンドルフ原発は、1987年にオーストリアの国民投票によって稼動が阻止され、一度も運用されないまま廃炉になり、今日では「世界一安全な原発」として観光地化される一方、原発技師の研修に使用されている。
高山明は2011年5月にこの原発を実際に訪れ、「Referendum -国民投票プロジェクト」を発想。今回の特別ツアーでは、ウィーンからバスでツベンデンドルフを訪れ、実際に原発内部を見学しながらアーティスト・トークを実施する。

"ツベンテンドルフ原発を初めて訪ねたのは2011年の6月だった。福島第一原発の事故から3ヶ月ばかり後のことである。テレビに映った福島第一原発は、貧弱な骨格が今にも壊れそうで、木造建築のようにもろく見えるのに、実際に原発の中に入ると印象がまるで違った。原子炉は潜水艦のようだったし、張り巡らされたパイプの数々はピカピカしていて教会のパイプオルガンを連想させた。どこをとっても異様なほど頑丈で、ほとんど神々しさを感じてしまうほど威圧的だった。これが爆発したのかと事の重大さに改めて恐ろしくなったことを覚えている。それが一度も使われないまま国民投票によって廃炉になったと知り、日本でも「原発国民投票」ができないものかと考えるようになった。これが『国民投票プロジェクト』を始めたきっかけである。
本ツアーでは、建物内部を訪問し、基本的にツベンテンドルフ原発のエンジニアが施設を解説しながらガイドするが、私も同行し、通常のツアーとは異なる案内を付け加えていく予定である。その案内は、福島第一原発事故に応答した二つの作品、『国民投票プロジェクト』と『福島―エピローグ?』への私的な注釈になるだろう。" (高山明)

日時:2013年6月6日(木)、6月7日(金)
   18時セセッションに集合しバスで出発。21時半頃終了、22時半頃ウィーン到着
言語:ツアーガイド(ドイツ語)、アーティストによるトーク:日本語/ドイツ語通訳つき

  • by F/Tスタッフ
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  • 2013年5月13日