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カンパニー・プロフィール

遊園地再生事業団
1990年、『遊園地再生』で作品ごとに俳優を集めて上演するスタイルの「遊園地再生事業団」の活動を開始し、『ヒネミ』(92年)で岸田戯曲賞受賞。10年間で十数本の舞台作品を発表後、2000年に3年間の休止期間に入る。03年『トーキョー・ボディ』、05年『トーキョー/不在/ハムレット』を上演、それまでのストレートな劇表現とは異なった創作をはじめる。戯曲+映像+パフォーマンスのコラボレート作品という表象だけではなく、作品を発表するまでに何度かのワークインプログレス、プレ公演、実験的な小さな舞台などを経て本公演を迎えるなど創作過程における実験も行う。こうした、第二期ともいうべき活動が2000年代以降の遊園地再生事業団の活動の中心となった。06年は「ドン・キホーテにまつわる人物の物語」をベースにした『モーターサイクル・ドン・キホーテ』と、世田谷パブリックシアター現代能楽集シリーズⅢ『鵺/NUE』などの外部公演の作・演出を手がけ、07年の『ニュータウン入口』を経た、10年『ジャパニーズ・スリーピング/世界でいちばん眠い場所』は、これまで試してきた「リーディング公演+本公演」というワークインプログレス形式を追求した遊園地再生事業団第二期の集大成とも言える作品であった。

宮沢の戯曲と、遊園地再生事業団の特徴は、何気ない会話の中に生じる言葉のずれや反復を笑いに包み込むことで日常をよりリアルに描き、日々の生活の背後にうごめくエロスやコミュニケーション不全を露わにするところにある。それは既成の劇作法から遠ざかり、劇的なものを疑いつつ表現する手法でもあり、このことは90年代の劇シーンにおいては、劇への、劇による批評としてもみることができた。また、さまざまな出自をもつ俳優や、ミュージシャン、漫画家など多岐に渡る出演者も、ジャンルを越境し、演劇を側面から批評する宮沢の意志のあらわれとみることができる。遊園地再生事業団は今も、00年代10年代と時代を経て、移りゆく、演劇表現への「疑い」や「批評」そのものを「新しい表現の可能性」へと変換させていく活動を続けている。

主な公演記録


2011年 10月 『トータル・リビング 1986-2011』 作・演出:宮沢章夫 於:にしすがも創造舎
10年 10月 『ジャパニーズ・スリーピング/世界でいちばん眠い場所』 作・演出:宮沢章夫 於:座・高円寺
07年 9月 『ニュータウン入口』 作・演出:宮沢章夫 於:シアタートラム
06年 5月 『モーターサイクル・ドン・キホーテ』 作・演出:宮沢章夫 於:横浜赤レンガ倉庫1号館
05年 1月 『トーキョー/不在/ハムレット』 作・演出:宮沢章夫 於:シアタートラム
02年 12月 『トーキョー・ボディ』 作・演出:宮沢章夫 於:ザ・スズナリ
1999年 12月 『砂に沈む月』 作・演出:宮沢章夫 於:ザ・スズナリ
99年 5月 『おはようと、その他の伝言』 作・演出:宮沢章夫 於:世田谷パブリックシアター
98年 10月 『14歳の国』 作・演出:宮沢章夫 於:青山円形劇場  ※第12回青山演劇フェスティバル参加作品
98年 5月 『ゴー・ゴー・ガーリー!』 作・演出:宮沢章夫 於:本多劇場
97年 6月 『あの小説の中で集まろう』 作・演出:宮沢章夫 於:シアタートラム
96年 9月 『蜜の流れる地 千の夜のヒネミ』 於:新宿紀伊國屋ホール
96年 3月 『砂の楽園』 作・演出:宮沢章夫 於:ザ・スズナリ
95年 11月 『知覚の庭』 作・演出:宮沢章夫 於:青山円形劇場
94年 2月 『砂の国の遠い声』 於:ザ・スズナリ
94年 8月 『箱とピクニック計画』 作・演出:宮沢章夫 於:原宿クエストホール
93年 7月  『ヒネミの商人』 作・演出:宮沢章夫 於:イーストギャラリー
92年11月 『ヒネミ』 作・演出:宮沢章夫 於:シードホール ※岸田戯曲賞受賞


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