F/T10会見コメント・テキスト版8:黒田育世

会見コメント・テキスト版8:黒田育世さんです

動画は⇒コチラです(会見動画9)

F/Tチャンネル

Q
それでは続いてダンス2作品をご紹介させて頂きたいと思います。
「演劇を脱ぐ」というキャッチでダンス関係者のみなさんには
肩身の狭い思いをさせてしまっているような気がしますけれども。

まずは黒田さんにお伺いします。
前回は旧作のリクリエーションで、今回は新作。
2時間半を超える大作になるのでは、ということで今ご準備頂いているんですけれど。

今回はBATIKではなくて、男性パフォーマーを交えて
「お母さん」をテーマに創るということで、
ぜひその構想をお聞かせ頂けますでしょうか。


黒田

はい。
お母さんのことを、やろうと思いまして。
えーと、それは多分、今までずっとやってきたことに、
どこかお母さんのことが張り付いているような気がして。

あー緊張しています、すみません。

えーと、じゃあまずそれを軸に思い切ってやってみようかなというふうに思って。
で、いつもわりと感情的に、突発的に、言わばこうワイルドというか、
やってしまう傾向がありまして。
ちょっとお母さんのことを、やるんだったら、
丁寧にやろうと思いまして。
で、えーと、あの何て言ったらいいんだろう。
いっぱい考えることから始めよう、と思って、母のことを考えながら、
「母の母の母の母の...」っていうふうに遡っていったら
宇宙のことを考えるようになってしまって。

で、そういうふうにこうしているうちに、
母のことを、ちょっと言葉悪いんですけれど、ジャンプ台にしてというか。
いろんなことを考えるようになりまして。
そうしたらもう、ちょっと作品が長くなっちゃったんですけれど。

BATIKでなく、男性の俳優さんとかに、参加して頂いて創るっていうのは、
「矢印と鎖」っていうドキュメンタリーの作品を創ったときに
そういうふうにしたんですけれど。

今回は、その「矢印と鎖」に参加して下さった俳優さんと、
もう一人、何も舞台経験とかそういうのはないただの、
ただのというと申し訳ないですけれど、
大学生に一人、参加して頂いて、
みんな、あたし含めて9人揃ったんですけれども。

それぞれの、あたしが質問というか宿題を出して、
でそれに歌でも、言葉でも、踊りでも、
なんていうんですかね行為っていうんですかね、
答えて宿題を提出してください、っていう形で、
4月くらいだったと思うんですけれど、一ヶ月程、稽古をしまして。

で、そのあと今までずっと考え事をしているような状況なんですけれど、
そうするとどんどん膨らんでしまって、
どんだけの長さになってしまうのかちょっと分からなくて不安なんですが。

ただ、なんか、えーと...、
続けて創って7・8年くらい経ったんですけれど、
続けていくとなんか、
「ダンスとは何か」とか
そういうことを考えないといけない現場にお邪魔したりすることがたくさんあって。

で... えーと...。
「ダンスとは何か」っていうことをいうよりも、というか。
「観て頂いている」ことに、なんかもうちょっと責任を持ちたいな
というふうに思い始めて。

そうするとなんか
「いいことやってるふう」みたいなことにならないように、
なんていうんですかね...。

戸惑うこととか、申し訳ないとか後ろめたいとか。
なんか後ろめたいな、と舞台で。今もそうなんですけれど。
自分如きのことなんかお見せするっていうのはなんか、
みっともないな、っていうふうに思うんですけれども。

そこから逃げないように、
今回は同じかなんかわからないんですけれど、
ずっと黒田が、あの、舞台上に居続けようというふうに。
それだけはなんとなく決まりました。

すごく長くなってしまったら申し訳ありません。

以上です。
ありがとうございました。