グルーポ・ヂ・フーアの「H3」、いよいよ明日初日を迎えます。
カンパニーの照明を担当するレアンドロさん(若干25歳)の手により
にしすがも朝日中学校体育館の四角いフロアが
シックで上質な空間に生まれ変わり
そこに乗るダンスもまた同様であることを予感させます。
そして本日のリハーサルで、
「ストリートダンサーの踊るコンテンポラリーなんでしょ」
という安易な先入観を完全に裏切られました。
現在、毎週末に世界各国のフェスティバルで踊っているという
ひっぱりだこ状態というのも納得です。
日本にも寄ってくれて感謝です。
手ブレではありません。疾走感炸裂のグルーポ・ジ・フーア、
この作品も全力疾走しまくっています、しかもうしろ向きで!
決して広くはないこの空間、
リハでは客席最前列10cm手前まで飛び込んできました!近いです。
それだけでは飽き足らず彼らはもっと加速します。
二人がかりで一人のダンサーの腕を、全力でひっぱりフロアに送りだします。
もはやコントロール不能、デジカメでは撮影不能でした。
終了後は起き上がれないご様子。
リハ中も、ひとつのシーケンスが終わるごとに
独特な呼吸法で酸素補給するダンサーの息づかいが響きます。
アスリートです。
とはいえ「H3」という作品、実に繊細です。
多様なスタイルの要素を織り交ぜたダンスを、
彼らは高い精度で繰り広げます。
「ストリート」ダンサーとはもはやくくれず、
「ダンサー」なのでした。
あらゆるジャンルのダンス愛好家に観ていただきたい
パフォーマンスです。
まさに「大人のふりかけ」です。
魚沼産コシヒカリはふりかけで食べるより
白米のままのほうが美味しくいただけるのが常ですが
ブルーノ・ベルトラオはそれに成功した数少ない振付家の一人です。
ぜひご賞味下さい。
『H3』制作クルー